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素質感じるアズマスペシャル

  • 2007年01月09日(火) 23時45分
アズマスペシャル(牡 栗東・藤岡健一 父スペシャルウィーク、母プライムオブユース)
 母プライムオブユースはJRA1勝馬だが、良血の外国産馬で血統的なポテンシャルは高い。父スペシャルウィークはRed Godを含んだ繁殖牝馬と相性がよく、このパターンからはサンバレンティン(06年福島記念-GIII)とインティライミ(05年京都新聞杯-GII)の兄弟など優れた産駒が出ている。また、母系にDeputy Ministerを持つパターンも成功しており、JRAで出走した6頭中、タッチザピーク(紅梅S)を含む5頭が勝ち上がっている。芝・ダート兼用の中距離タイプで、高い素質を感じる。

アグネストカチ(牡 栗東・藤岡健一 父アグネスタキオン、母アグネスチーアフル)
 父アグネスタキオンは06年の2歳種牡馬チャンプ。素軽さ、仕上がりの早さ、コンスタントに勝ち上がる確実性を武器としている。初年度は「2勝目が遠い」「底力がない」といった欠点がささやかれたが、2年目の産駒はそうした点をよく克服している。母系に重厚なヨーロッパ血脈を入れたものが出世する傾向が見られるので、コテコテのステイヤー血統のMtotoを母の父に持つ本馬は前途洋々。大物感のある配合だ。2400mまでOKだろう。

アデオス(牡 栗東・清水出美 父カリズマティック、母エリモファンタジー)
 半姉エリモエクセルはオークス優勝馬。父カリズマティックは影響力の強いタイプとはいえず、自身の特徴を主張するというより母系の特徴を活かすアシスト型。母エリモファンタジーは「Riverman×Exclusive Native×Northern Dancer」という影響力の強い良血なので、案外こうしたタイプが合う可能性がある。半姉エリモエクセルの父ロドリゴデトリアーノもアシスト型だった。芝の中距離型だろう。

ウインエンパイア(牡 美浦・二ノ宮敬宇 父フレンチデピュティ、母ピンクタートル)
 半姉レディパステルはオークスを含めて3つの重賞を制した名牝。母系にDr.Fagerを持つフレンチデピュティ産駒には、G1を4勝し米古馬牡馬チャンピオンに輝いたLeft Bank、重賞を2勝したアルーリングボイスなどがいる。血統背景や配合は申し分ないので、馬のデキさえよければ上のクラスまで出世が見込める。1400〜1800mあたりがベスト。芝・ダート兼用タイプだろう。

エレオカリス(牡 栗東・長浜博之 父ブライアンズタイム、母タニノカリス)
 母タニノカリスはJRA3勝馬。26戦しているのでごく平凡な条件馬だった。現役時代の末期、半弟のタニノギムレットが3歳クラシック戦線で大活躍し、ダービー(GI)を含めて4つの重賞を制覇。これによって繁殖牝馬としての価値が跳ね上がった。本馬はその初子。「父ブライアンズタイム」というのは明らかにタニノギムレットの配合を意識している。本馬とギムレットは4分の3同血(父が同じで母が親子)で、違っているのは本馬の母の父にジェネラスが入る点。スタミナタイプでパワー満点。ダートで活躍する可能性もある。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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