スマートフォン版へ

ダート向きの好配合馬エクストラシチー

  • 2007年02月13日(火) 23時46分
フライデイフライト(牡 栗東・安田隆行 父Fusaichi Pegasus、母Not On Friday)
 父Fusaichi Pegasusはケンタッキーダービー(米G1)の勝ち馬。種牡馬としてはMr.Prospectorの子ながら中距離に適性を見せている。母Not On Fridayはオーストラリア産で、同国の豪G3勝ち馬。その父At Talaqは3歳時にパリ大賞典(仏G1)を勝ったあと、オーストラリアに渡ってメルボルンC(豪G1)、マッキノンS(豪G1)などを制したRoberto系の中長距離タイプ。Fusaichi Pegasus×At Talaqという部分だけを見ればメリハリのない中距離型に思えるが、母系の奥にオーストラリアのスピード血統が入っており、ピリッとした部分もありそう。芝・ダート兼用タイプ。

ミリオンキング(牡 栗東・池江泰郎 父Grand Slam、母Million Gift)
 母ミリオンギフトはJRAで2戦未勝利に終わったが、Sky Beauty(アメリカでNY牝馬三冠を含めてG1を9勝した名牝)の半妹にあたる良血で、サンデーサイレンスを父に持つ。繁殖牝馬としては高いポテンシャルを秘めていると思われる。引退後、アメリカに渡ってGrand Slamと交配し、本馬が誕生した。Grand SlamはGone West系のスピードタイプで、仕上がりが抜群に早く、種牡馬歴は浅いものの多数のGレース勝ち馬を送り出している。日本ではカフェオリンポス(ジャパンダートダービー)が代表産駒。本馬は芝・ダート兼用のマイラーだろう。出てくればいきなり勝負になる。

エクストラシチー(牡 栗東・宮本博 父アフリート、母アルテミスシチー)
 母アルテミスシチーはJRA2勝馬で、近親にこれといった活躍馬はいない。本馬は「アフリート×ブライアンズタイム」という組み合わせ。おそらくダート向きのパワフルなスピード馬となるだろう。アフリート産駒は母系にNijinskyを持ったものが成功しており、プリモディーネ(桜花賞)、プリエミネンス(浦和記念)、ビッグウルフ(ジャパンダートダービー)など多数の重賞勝ち馬が出ている。本馬はこのパターン。底力も十分。

シュガーミント(牝 美浦・松山康久 父アグネスタキオン、母ヒラーラ)
 父アグネスタキオンは昨年の2歳種牡馬チャンピオンに輝き、アドマイヤオーラ(07年シンザン記念-GIII)、ダイワスカーレット(07年シンザン記念-GIII・2着)と牡牝それぞれのクラシック候補を輩出している。母ヒラーラは英3勝。アグネスタキオン産駒は母系にしっかりとしたスタミナを入れたものが大物に育つ傾向が見られる。本馬の2代母Halholahは「セクレト×Key to the Mint」というスタミナ型。配合水準は上々だ。1600〜2000mがベストの芝馬。

ハロードリーム(牝 栗東・石坂正 父ブライアンズタイム、母ハローサンライズ)
 母ハローサンライズはローズS(GII)5着馬で、秋華賞(GI)にも出走した。その母スカーレットローズはスカーレットブーケ(ダイワメジャー、ダイワルージュ、ダイワスカーレットの母)の全姉にあたる良血馬。牝系の水準は高い。本馬は「ブライアンズタイム×ダンスインザダーク」という骨太のステイヤー血統。底力、スタミナともに十分なのでオークスに間に合えばおもしろい。古馬になればさらに強くなる血統。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング