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芝中距離で期待大フサイチルクシオン

  • 2007年03月13日(火) 23時47分
エアギャラクシー(牡 美浦・田村康仁 父フジキセキ、母スプリングソネット)
 「フジキセキ×トニービン」という組み合わせはドリームパスポート(06年神戸新聞杯-GII、06年きさらぎ賞-GIII)と同じ。重賞勝ち馬はこの1頭のみだが、平均的によく走っており、連対率26.3%はフジキセキ産駒全体の連対率(18.9%)を大きく上回っている。同産駒はマイル前後で良さを発揮するタイプが多いが、母の父トニービンの場合、2000m以上を苦にしない子が目立つ。母スプリングソネットはハッピーリクエスト(02年マーメイドS-GIII・5着)の全姉。芝の中距離タイプだろう。

シルクランサム(牡 栗東・加用正 父Red Ransom、母Pier)
 2006年1月、オーストラリアのマジックミリオンズイヤリングセールで4万豪ドル(約350万円)の値がついた。母Pierは本邦輸入種牡馬ルション(ウオッカの母の父)の半妹で、本馬はRiver Majesty(93年ニッカボッカーH-米G3)の半弟にあたる。父Red RansomはRoberto系で、現役時代はダートの快速馬として鳴らしたが、種牡馬としてはCasual Look(03年英オークス-G1)、Electrocutionist(06年ドバイワールドC-G1)、Perfect Sting(00年BCフィリー&メアターフ-G1)など多彩な産駒を送り出し、万能タイプとして活躍している。芝・ダート兼用の中距離タイプだろう。南半球産馬なので日本産馬に比べると生まれが半年遅い。

ヒカルリクエスト(牝 美浦・秋山雅一 父アグネスタキオン、母グレースランド)
 半兄にドリームパスポート(06年神戸新聞杯-GII、06年きさらぎ賞-GIII)がいる良血。「アグネスタキオン×トニービン」の組み合わせからはショウナンタキオン(05年新潟2歳S-GIII)が出ている。母グレースランドはステイゴールド(01年香港ヴァーズ-G1、01年ドバイシーマクラシック-G2)の半妹、レクレドール(04年ローズS-GII、05年クイーンS-GIII)の半姉にあたる良血で、ドリームパスポートを出したのはフロックではない。この先、さらに活躍馬を送り出せるはずだ。本馬は1600〜2000mがベストの芝馬。初戦から能力を全開できるはず。

フサイチルクシオン(牡 栗東・角居勝彦 父マンハッタンカフェ、母ロイヤルサクセサー)
 2004年のセレクトセールで6700万円の値がついた。これは同レールで関口房朗氏が落札した馬のなかでは上から5番目の値段。母の父にMr.Prospector系を持つマンハッタンカフェ産駒はまずまず成功しており、メイショウレガーロ(07年京成杯-GIII・2着)、エイシンイチモンジ(06年いちょうS-OP・2着)などが出ている。本馬の母の父はMr.Prospector。母ロイヤルサクセサーは1戦未勝利だが、2代母Only Royaleはヨークシャーオークス(英G1)を2連覇した名牝。血統的なポテンシャルは高い。芝向きの中距離馬だろう。

ラインステッチ(牝 美浦・藤沢和雄 父Fusaichi Pegasus、母Line of Thunder)
 サンダーガルチ(米3歳牡馬チャンピオン)、バトルライン(プロキオンSなど重賞4勝)の半弟という良血で、父はケンタッキーダービー馬Fusaichi Pegasus。ここ数年、母Line of Thunderからはこれといった大物は出ていないが、それでもコンスタントに勝ち上がっており、全兄サンダーペガサスも6戦2勝でOPクラスの出走経験がある。本馬もダート路線で手堅く出世しそうだ。

ラストアロー(牝 栗東・藤岡健一 父アサティス、母サンヨウアロー)
 ジャパンCダート(GI)、フェブラリーS(GI)など8つの重賞を制し、最優秀ダートホースに二度選ばれたウイングアローの全妹。現5歳スズカノフジアロー、現4歳ファイブアローも同配合だが、こちらはいずれも1勝しか挙げていない。馬のデキが良ければ上級クラスまで出世する可能性を秘めている。もちろんダート向き。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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