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POG向きスピード馬アグネスクリスタル

  • 2007年04月10日(火) 23時49分
(3歳)

ダーティダンシング(牝 美浦・勢司和浩 父Danehill Dancer、母ミルド)
 半姉クロカミは現役時代、主に芝1600〜1800mで活躍し、府中牝馬S(GIII)を勝った。本馬はその半妹にあたる。父Danehill Dancerは2歳時にアイルランドで2つのG1を制覇。クールモアスタッドで種牡馬となり、アイルランドとオーストラリアをシャトルで往復しつつ、英1000ギニー馬Speciosa、豪英を股にかけてスプリント戦線で大活躍したChoisir、豪G1を3勝したPrivate Steerなど多数の活躍馬を輩出中。ピュッと切れるタイプではないので、緩急を作らず同じペースで力いっぱい走る短距離は合っている。

デュポンサークル(牝 美浦・古賀慎明 父Rainbow Quest、母Ballet Girl)
 2代以内にこれといった活躍馬はいない。ただ、配合的にはかなり興味深い存在だ。2代母AtelierはSlightly Dangerous 2×2という強度のインブリードを持っている。Slightly Dangerousはコマンダーインチーフ、ウォーニング、Yashmak、Dushyantorといった活躍馬を次々と輩出した稀代の名繁殖牝馬。本馬はこのクロスを継続発展させる形でWhere You Lead 3×5・5というインブリードを持っている。Where You Leadは、前出のSlightly Dangerousの母であり、本馬の父Rainbow Questの2代母でもある。馬主はエルコンドルパサーの渡邊隆氏。エルコンドルパサーも本馬も凝りに凝った配合という点で共通している。芝の中長距離タイプ。

メイショウデリラ(牝 栗東・庄野靖志 父マンハッタンカフェ、母メイショウサブリナ)
 半兄にメイショウオウテ(07年産経大阪杯-GII・3着)、メイショウカチドキ(OP)がいる。父マンハッタンカフェは菊花賞(GI)、天皇賞・春(GI)、有馬記念(GI)などを制したサンデー系のステイヤーで、初年度産駒からココナッツパンチ(07年弥生賞-GII・2着)、メイショウレガーロ(07年京成杯-GIII・3着)などを出している。本馬は母の父がRoberto系のKris S.なので、底力あふれる中長距離タイプだろう。3歳秋以降に本格化しそうだ。

(2歳)

アグネスクリスタル(牡 栗東・森秀行 父Seeking the Gold、母Shawklit Mint)
 2006年、米ケンタッキー州で行われたキーンランド・セプテンバー・イヤリングセールで20万ドル(約2400万円)の値がついた。落札者は森秀行調教師。母Shawklit Mintは現役時代にヴェイグランシーH(米G2)を制覇。父Seeking the GoldはDubai Millennium(00年ドバイワールドCなどG1を4勝)、シーキングザパール(98年モーリスドギース賞-GI、97年NHKマイルC-GI)、マイネルラヴ(98年スプリンターズS-GI)など多くの活躍馬を輩出している。本馬は芝・ダート兼用タイプでスピード抜群。早い時期からガンガン走ってくるだろう。POG向き。

ダノンモンスター(牡 栗東・森秀行 父Unbridled's Song、母Stylelistick)
 前出のアグネスクリスタルと同じく、06年のキーンランド・セプテンバー・イヤリングセールで森秀行調教師に落札された。こちらの価格は40万ドル(約4600万円)。父Unbridled's SongはFappiano系で、現役時代にブリーダーズCジュヴェナイル、フロリダダービーと2つのG1を勝った。種牡馬としてはUnbridled Elaine(01年ブリーダーズCディスタフ)、アグネスソニック(02年NHKマイルC-GI・2着)などを送り出している。母Stylelistickは米G3で3着馬で、その兄弟にPlayful Act(04年フィリーズマイル-英G1)、Percussionist(06年ヨークシャーC-英G2)がいる良血。芝・ダート兼用のマイラーで、母の父がStorm Catなので仕上がりも早そう。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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