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目指せ!母子2代GI制覇、レディーファースト

  • 2007年04月17日(火) 23時48分
(3歳)

ミキ(牝 美浦・池上昌弘 父コマンダーインチーフ、母ナミ)
 母ナミは現役時代に地方競馬で出走。2歳時にホッカイドウ競馬でエーデルワイス賞(交流GIII)を勝ち、3歳時には南関東(大井)に移籍して浦和桜花賞、東京プリンセス賞、トゥインクルレディー賞などを制覇した。残念ながら昨年春、本馬の全弟を出産した直後に腹膜炎で死亡した。本馬は「コマンダーインチーフ×カコイーシーズ×スイフトスワロー」という組み合わせ。パワー型の種牡馬を代々付けられているので、根っからのダート馬だろう。ローカルの深い砂は合うはず。


(2歳)

トキンナル(牝 美浦・石栗龍彦 父ボストンハーバー、母リアルハイブローウ)
 「ボストンハーバー×リアルシャダイ」という組み合わせはJRAで3頭しか走っていないが、そのうちの1頭が準OP馬コマノルカン。同馬は2代母がエリザベス女王杯馬リンデンリリーだった。本馬は、「ボストン×リアル」という組み合わせに加え、2代母がオークス馬コスモドリーム。コマノルカンと本馬は配合のアウトラインがよく似ている。コスモドリームは異端の内国産種牡馬ブゼンダイオーを父に持ち、繁殖牝馬としては成功しなかった。孫の代でリベンジしたいところ。

ナリタスカーレット(牝 栗東・木原一良 父バブルガムフェロー、母フラワースカイ)
 母フラワースカイは不出走馬だが、その半弟にパリブレスト(05年京成杯オータムH-GIII・4着)がいる。パリブレストはNijinskyとRed Godのニックスを持っていた。フラワースカイも父がCaerleon(その父Nijinsky)なので、同じニックスを持っている。繁殖牝馬として成功する素地はある。本馬の父はバブルガムフェロー。マイネルボウノット(06年佐賀記念-交流GIII)やアッパレアッパレ(02年名古屋グランプリ-交流GII)など主要な産駒はダート向き。本馬も本領を発揮するのはダート戦かもしれない。

フェアリーグリーン(牝 栗東・森秀行 父フサイチコンコルド、母エンゼルカロ)
 母エンゼルカロはホッカイドウ競馬所属ながら函館3歳S(GIII)を制し、札幌3歳S(GIII)とファンタジーS(GIII)でも3着と健闘した。産駒のコスモスペシャリー(父スペシャルウィーク)は新馬戦を快勝しており、この一族の仕上がりの早さは際立っている。気性の悪い血を抱えているので、父もそういうタイプだと心配なのだが、フサイチコンコルドなら大丈夫だろう。芝・ダート兼用で、2歳の早い時期からどんどん走る。

レディーファースト(牝 栗東・森秀行 父ダンスインザダーク、母エリモシック)
 母エリモシックはエアグルーヴ、ファビラスラフインの同世代で、これらの強敵に揉まれつつ、エリザベス女王杯(GI)を勝ち、秋華賞(GI)と札幌記念(GII)で2着した。繁殖牝馬としてはこれまでのところ、1000万下のサイレンスゴールド(父サンデーサイレンス)を出した程度で、これといった大物は出していない。ダンスインザダークを父に持つ本馬はオークス向き。母の切れ味を受け継いでいるようなら楽しみが広がる。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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