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一発の魅力十分ホクセツエコー

  • 2007年04月24日(火) 23時49分
「2歳」

ホクセツエコー(牝 栗東・白井寿昭 父ワイルドラッシュ、母ホクセツエレガンス)
 父ワイルドラッシュはアイスカペイド系の新種牡馬。すでにアメリカで5年間種牡馬生活を送っており、日本ではマル外のパーソナルラッシュ(04年ダービーグランプリ-GI、05年ダイオライト記念-GII)がダートの一線級として活躍した。日本に導入されてからStellar Jayne、Hollywood StoryなどのG1馬がアメリカで誕生し、買戻しのオファーも届いたという。本馬の兄姉にはこれといった活躍馬はいない。ただ、Drone≒Lady Capulet 4×4という4分の3同血クロスはユニークで、母にはSpecial=Thatch 3×3という大胆な同血クロスがある。一発の魅力十分。

エンゲージメント(牝 美浦・嶋田功 父アグネスフライト、母ティリオブストラッフォード)
 父アグネスフライトは現役時代、ダービー(GI)と京都新聞杯(GIII)を制覇。競走生活の末期に不振に陥ったため、評価を下げてのスタッド入りとなったが、種牡馬として大成功しているアグネスタキオンの全兄という点は注目に値する。本馬の半兄メイショウエイシは4勝、同タマモコンチェルトは3勝、半姉アスカノヒミコは1勝。違った種牡馬と交配しながらコンスタントに走る産駒を出している母はなかなか能力が高い。本馬は「アグネスフライト×Deputy Minister」という組み合わせ。これはフローラS(GII)の2着馬ミンティエアー(アグネスタキオン×Deputy Minister)とよく似ている。父方の持ち味である切れ味を受け継いでいれば期待大。

サンレイアイシング(牝 栗東・西橋豊治 父ラスカルスズカ、母アイシングスズカ)
 父母ともに永井啓弐氏が所有し、橋田満調教師が管理した。父ラスカルスズカは悲劇の名馬サイレンススズカの半弟。重賞こそ勝てなかったが、天皇賞・春(GI)で2着、菊花賞(GI)で3着となるなど、重賞戦線の常連として活躍した。コマンダーインチーフ産駒なので、兄サイレンススズカ(父サンデーサイレンス)ほどの鋭さやスピードは持ち合わせていなかった。母アイシングスズカはJRA勝ち馬を4頭送り出している。これといった大物は出していない。本馬はおそらく芝向きの中距離馬だろう。Mr.Prospectorのクロスがあり、Nasrullahも集められているので、意外なスピードを発揮する可能性もある。

テンクウノカゼ(牝 美浦・小林常泰 父アフリート、母ミストオブマジック)
 父アフリートはNijinskyを抱えた繁殖牝馬と相性がよく、過去にプリモディーネ(99年桜花賞-GI)、プリエミネンス(ダート重賞8勝)、ビッグウルフ(03年ジャパンダートダービー-GI)をはじめ多数の活躍馬を輩出している。本馬は母の父がCaerleonなのでこのパターン。母ミストオブマジックは下級条件馬で、その半妹にダンススマートリーH(加G3)を勝ったMedeira Mist、アイルランドのG2、G3でそれぞれ2着となったMisty Heightsがいる。また、近親にはクイーンC(GIII)を勝ったチューニーがいる。血脈の質は優れているのであとは馬のデキ次第。

ロックエンジン(牡 栗東・目野哲也 父カリズマティック、母マイニングレディ)
 母マイニングレディは川崎でおこなわれた関東オークス(GIII)の勝ち馬。このほか、船橋のクイーン賞(GIII)で3着、金沢のサラブレッドチャレンジC(GIII)で4着など、主に地方の指定交流重賞で良績を挙げた。父カリズマティックはケンタッキーダービー(米G1)、プリークネスS(米G1)の二冠を制した名馬だが、種牡馬としてはストームセイコー(新潟ジャンプS-JGIII)を出した程度であまり成功していない。本馬は母が優秀なのでダート路線で出世する可能性がある。1600〜1800m向き。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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