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クラシックの香り漂うトールポピー

  • 2007年05月08日(火) 23時46分
カジノドライヴ(牡 美浦・藤沢和雄 父Mineshaft、母Better Than Honour)
 半兄に米クラシックのベルモントS(G1)を勝ったJazil、半姉にケンタッキーオークスなどG1を3勝しているRags to Richesがいる良血。母Better Than Honourは米G2の勝ち馬で、父Mineshaftは米年度代表馬に輝いた名馬。世界トップクラスの良血馬であることは間違いない。Mineshaftは今年の新種牡馬で、A.P.Indy産駒なので、本馬とRags to Riches(父A.P.Indy)は4分の3同血の関係にある。馬のデキがよければGIを狙える。

カラメルマキアート(牡 栗東・角居勝彦 父マンハッタンカフェ、母エリザベスローズ)
 フサイチゼノン(00年弥生賞-GII)、アグネスゴールド(01年スプリングS-GII、01年きさらぎ賞-GIII)、リミットレスビッド(06年東京盃-GIIなどダート重賞5勝)などの半弟にあたる。兄はいずれもサンデー産駒で、本馬はマンハッタンカフェ産駒なので、正確には4分の3弟ということになる。兄よりもスタミナを強化しているので2400mも守備範囲。

ガイディングスター(牡 栗東・橋口弘次郎 父ファルブラヴ、母クルーピアスター)
 父ファルブラヴはジャパンC(GI)のほか英、仏、伊、香港で計8つのG1を勝った名馬。今年の2歳が初年度産駒となる。母クルーピアスターは阪急杯(GIII)の4着馬で、ジェニュイン(95年皐月賞-GI、96年マイルCS-GI)の全妹にあたる良血。繁殖牝馬としてはすでにアサクサキングス(07年きさらぎ賞-GIII)を産んでいる。芝の中距離でしぶとく活躍しそうなタイプだ。

キングスエンブレム(牡 栗東・石坂正 父ウォーエンブレム、母スカーレットレディ)
 ヴァーミリアン(07年川崎記念-交流GIなど重賞5勝)、サカラート(東海S-GIIなど重賞3勝)の半弟にあたる。父ウォーエンブレムはダート向きの高いポテンシャルを秘めた種牡馬で、初年度にデビューした4頭はダート戦で連対率41%を記録している。考えるまでもなく本馬はダート向き。1400〜1800mを得意とするタイプだろう。仕上がりは早く、成長力もありそう。

グリッターカーラ(牝 栗東・松田国英 父フレンチデピュティ、母フサイチエアデール)
 ライラプス(05年クイーンC-GIII)の全妹、フサイチリシャール(JRA賞最優秀2歳牡馬)の半妹にあたる良血。母フサイチエアデールは重賞を4勝した名牝だった。全姉が走っているように配合構成は申し分なく、あとは馬のデキ次第。この時期に馬名登録できるのだから順調に仕上がっていると判断できる。

ココシュニック(牝 栗東・松田国英 父クロフネ、母ゴールドティアラ)
 母ゴールドティアラは「Seeking the Gold×Chief's Crown」というパワフルなスピード血統で、南部杯(GI)などダート重賞を5勝した名牝。父クロフネは名牝との組み合わせで結果を出すタイプの種牡馬なので、本馬にも期待できそうだ。全姉エンプレスティアラはまだデビューしていないが、この馬は無事に仕上がってほしい。ダート路線で出世しそう。

サトノフタバ(牝 美浦・藤沢和雄 父アグネスタキオン、母シェンク)
 半兄マルカシェンクはデイリー杯2歳S(GII)を勝ったほか、鳴尾記念(GIII)で2着となった。半姉ザレマは忘れな草賞(OP)の勝ち馬。父が替わってもコンスタントに活躍馬を送り出す母の能力は高く評価できる。アグネスタキオン産駒の本馬も確実に走ってくるだろう。芝向きのマイラー。

ダノンマスターズ(牡 美浦・藤沢和雄 父シンボリクリスエス、母マストビーラヴド)
 半姉ラインクラフトは桜花賞(GI)、NHKマイルC(GI)など5つの重賞を制した名マイラー。シンボリクリスエスに父が替わった本馬は、姉とはまったく違うタイプに出そう。Hail Proudly≒シャダイマイン4×3の近似血脈クロスはなかなか渋い。シンボリクリスエスの初年度産駒のなかではトップクラスに評価できる好配合馬だ。

トールポピー(牝 栗東・角居勝彦 父ジャングルポケット、母アドマイヤサンデー)
 全兄フサイチホウオーはラジオNIKKEI杯2歳S(GIII)など3つの重賞を制し、皐月賞(GI)でも僅差の3着に食い込んだ実力馬。ジャングルポケット産駒は、母の父がサンデーサイレンスであれば何でも走るわけではなく、残りの4分の3の部分にNijinskyやそれに近い血脈が含まれていると効果的。本馬にはNijinskyと血統構成が似通ったEl Gran Senorが含まれている。さらに、Hornbeam≒Sunset 4×5という大胆な近似血脈クロスを持つ。配合のクオリティは極めて高いので、馬のデキさえよければ兄の資質が妹にも再現される可能性は高いと思われる。

ピアレスベル(牝 栗東・音無秀孝 父アグネスタキオン、母ラスティックベル)
 半姉フサイチエアデールは4歳牝馬特別・西(GII)など4つの重賞を制し、GIでも再三2着となった名牝。半兄ベラージオはマーチS(GIII)で3着となった。この牝系はスピードと瞬発力を伝えており、父がアグネスタキオンに替わった本馬もそうした特徴を受け継いでいるはず。いかにも仕上がりの早そうなタイプでPOG向きといえる。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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