スマートフォン版へ

目標はクラシック!ディープの半妹ヴェルザンディ

  • 2007年05月15日(火) 23時46分
フィッツロイ(牡 栗東・佐々木晶三 父アドマイヤベガ、母アンデスレディー)
 半兄にインティライミ(05年京都新聞杯-GII)、サンバレンティン(06年福島記念-GIII)がいる。上の2頭はスペシャルウィーク産駒で、本馬はアドマイヤベガ。どちらもサンデー系なので配合は似ている。アドマイヤベガはHyperion色の強い牝馬と相性がよく、ノーザンテーストともフィットしている。この組み合わせからは桜花賞馬キストゥヘヴンが出た。1800〜2200mあたりを得意とする芝馬だろう。

ブーケフレグランス(牝 栗東・角居勝彦 父ダンスインザダーク、母スカーレットブーケ)
 ダイワメジャー(04年皐月賞-GI、06年天皇賞・秋-GI、06年マイルCS-GI)、ダイワスカーレット(07年桜花賞-GI)、ダイワルージュ(00年新潟3歳S-GIII)などの下。母スカーレットブーケはダンスインザダークとの交配は初めてだが、スカーレットブーケの全姉スカーレットローズはダンスインザダークとの交配でラバグルート(04年神戸新聞杯-GII・5着)を送り出しているので期待が持てる。

プライドオブキング(牡 美浦・国枝栄 父スペシャルウィーク、母キャッツプライド)
 母系にStrom Birdを入れたスペシャルウィーク産駒はオースミダイドウ(06年デイリー杯2歳S-GII)、マルカハンニバル(06年デイリー杯2歳S-GII・3着)、ダンツクインビー(05年チューリップ賞-GIII・3着)など活躍例が目につく。本馬は母の父がStorm Bird系のヘネシーなのでこのパターン。芝・ダート兼用のマイラーだろう。

ベイサイドパーク(牡 栗東・藤岡健一 父ジャングルポケット、母マストシーストップ)
 父ジャングルポケットは初年度からフサイチホウオー、トーセンキャプテン、タスカータソルテと3頭の重賞勝ち馬を送り出した。母の父にサンデーサイレンスを持つものがよく走っており(フサイチ、トーセンなど)、本馬もこのパターン。2代母にCaroとBuckpasserを併せ持っているのはフサイチホウオーと同じで、母がダービー馬タヤスツヨシの全妹という血統背景も素晴らしい。大物感にあふれている。

ポルトフィーノ(牝 栗東・角居勝彦 父クロフネ、母エアグルーヴ)
 母エアグルーヴは牝馬ながら年度代表馬に輝いた女傑で、繁殖牝馬としてもエリザベス女王杯(GI)を連覇したアドマイヤグルーヴを送り出し大成功している。本馬はその半妹。父はクロフネで、その代表産駒フラムドパシオン(06年UAEダービー-G2・3着)と本馬は、母同士が全姉妹にあたるので血統構成は同一といっていい。エアグルーヴを母に持つ本馬のほうが血統的なポテンシャルは高いと見ることもできる。ダートで重賞級の活躍が期待できる。

マイネルインゼル(牡 栗東・宮徹 父アグネスデジタル、母マイネアイル)
 父アグネスデジタルは現役時代に芝・ダート、中央・地方・海外を問わず走りまくった名馬で、今年の2歳が初年度産駒となる。母マイネアイルはスピードを武器に重賞2着3回という成績を残した。本馬はRunaway Bride 4×4という牝馬クロスを持ち、スピード面にも不安がないので手堅く走ってくるだろう。

マドレボニータ(牝 栗東・橋口弘次郎 父ジャングルポケット、母ツィンクルブライド)
 母ツィンクルブライドは桜花賞(GI)2着馬。繁殖牝馬としてもペールギュント(04年デイリー杯2歳S-GII、05年シンザン記念-GIII)、フェリシタル(00年京成杯-GIII・3着)などを送り出し成功している。本馬はジャングルポケットが父。4分の3兄のフェリシタル(父トニービン)が走ったのでこの馬も楽しみが大きい。芝向きのマイラー。

ライラックラブ(牝 美浦・奥平雅士 父アグネスタキオン、母ヴァイオレットラブ)
 半姉コイウタはクイーンC(GIII)の勝ち馬。アグネスタキオン産駒は素軽いスピードと仕上がりの早さを武器としているが、その半面、底力にやや物足りなさがある。母系に図太いスタミナ血統を入れ、この弱点を補ったものが大物となる傾向が見られる。Ribot系の血はフィットしており、特にAllegedとの相性は良好。JRAで走った5頭はすべて勝ち上がっている。本馬は母の父ドクターデヴィアスにAllegedが含まれる。重賞戦線で期待したい好配合馬だ。

ローザブランカ(牝 栗東・橋口弘次郎 父クロフネ、母ローズバド)
 母ローズバドはフィリーズレビュー(GII)とマーメイドS(III)を勝ったほか、GIでも2着を重ねた追い込みの名牝。父クロフネは芝よりもダートの成績が優れており、先行タイプの産駒が目立つ。対照的な個性を持つ父母から誕生した本馬がどんな競走馬になるのか興味深い。ローザネイの孫にあたるローズバドが繁殖牝馬として成功すれば薔薇一族の繁栄はいっそう弾みがつく。

ヴェルザンディ(牝 栗東・池江泰郎 父アグネスタキオン、母ウインドインハーヘア)
 名馬ディープインパクト(三冠を含めてGIを7勝)の半妹、ニュービギニング(07年毎日杯-GIII・3着)の全妹にあたる超良血。ウインドインハーヘア産駒の牝馬のなかで父がサンデー系のものは本馬だけなので、繁殖牝馬としての価値も高い。馬のデキが良ければクラシックも狙える。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング