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名牝系に新たな花を咲かすかエフティアクトレス

  • 2007年05月29日(火) 23時49分
エフティアクトレス(牝 美浦・矢野進 父ファルブラヴ、母プライムステージ)
 母プライムステージはサンデーサイレンスとダイナアクトレス(最優秀5歳以上牝馬に2回選出)の間に生まれた良血馬で、現役時代に札幌3歳S(GIII)とフェアリーS(GIII)を制した。繁殖牝馬としてもアブソリュート(2戦2勝)を送り出すなどまずまずの成績を残している。本馬の父は新種牡馬ファルブラヴ。ジャパンC(GI)を制した現役時代の雄姿は記憶に新しい。血統背景は素晴らしく、配合構成も緻密で見どころがある。馬のデキさえよければ上級クラスまで出世する可能性大。

ショウナンアクロス(牡 美浦・大久保洋吉 父ダンスインザダーク、母バブルウイングス)
 半姉にショウナンパントル(04年阪神ジュベナイルフィリーズ-GI)がいる良血。同馬の父はサンデーサイレンスで、本馬の父はダンスインザダークなので、厳密にいえば4分の3姉弟の関係にある。また、母バブルウイングスは菊花賞馬ザッツザプレンティの半姉で、同馬の父はダンスインザダークなので、ザッツと本馬は4分の3同血の関係にある。非常にややこしいが、要するにショウナンパントルともザッツザプレンティとも血統構成がきわめて近いということ。2000m以上で本領を発揮する中長距離馬だろう。

ベルアミイ(牝 栗東・松永幹夫 父キングヘイロー、母ハッタロッチ)
 母は園田の下級条件で走った馬で、競走馬としての実績はゼロに近いが、血統は見どころがある。「ラストタイクーン×ファバージ」という中距離向きの柔軟な芝血統で、その母アンビションは皐月賞馬ハードバージの全妹。父キングヘイローはカワカミプリンセス、キクノアロー、ローレルゲレイロなど多くの活躍馬を送り出し、いま生産界で最も熱い注目を集めている種牡馬の1頭。母系にMill Reefを持つキングヘイロー産駒にはローレルゲレイロ、ニシノドコマデモなどがいる。桜花賞向き。

アイリスモレア(牝 美浦・田村康仁 父ショウナンカンプ、母ユアアディクト)
 父ショウナンカンプ、2代父サクラバクシンオー、3代父サクラユタカオーと、3代連続でGIを制覇してきた日本を代表するスピード系統。母の父ハウスバスターもスピードタイプなので、この組み合わせだけを見ると頼りないが、2代母クバターが重厚なスタミナ血脈を持っており、これが重石となって全体を支えている。NijinskyとBlushing Groomのニックスもあり注目。もちろん短距離タイプ。

アポロフラメンコ(牝 美浦・柴崎勇 父アドマイヤベガ、母タイキセニョリータ)
 母タイキセニョリータは良血の外国産馬で、現役時代に3勝を挙げたものの、産駒成績はイマイチ。これまでJRAで勝ち星を挙げた馬はいない。しかし、本馬は期待できそうだ。父アドマイヤベガはBlushing Groomと相性がよく、ストーミーカフェ(05年共同通信杯-GIII)、マイネルポライト(06年京都新聞杯-GII・3着)などがこの組み合わせから生まれている。本馬は2代母の父がBlushing Groomなのでこのパターン。芝向きのマイラーだろう。

オリエンタルロック(牡 栗東・田所秀孝 父マンハッタンカフェ、母エンジェルインザモーニング)
 兄姉はいずれも不振だが、配合的に注目できる1頭。父マンハッタンカフェの代表産駒メイショウレガーロ(07年京成杯-GIII・2着)とココナッツパンチ(07年弥生賞-GII・2着)は、母系にBlushing Groomを持っているという共通点がある。本馬は母の父がこの系統なのでニックスに当て嵌まる。芝・ダート兼用の中距離馬だろう。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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