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大物感ありエドワードバローズ

  • 2007年07月03日(火) 23時46分
エーシンドゥーエー(牡 栗東・中竹和也 父Deputy Minister、母Eishin Austin)
 母Eishin Austinは日本で走ったエイシンオースチンのこと。同馬は現役時代に勝ち星を挙げられず、母としても現在までのところこれといった活躍馬は出していない。ただ、半姉にGlorious Song(加年度代表馬、米古牝馬チャンピオン)、半兄にDevil's Bag(米2歳牡馬チャンピオン)、Saint Ballado(種牡馬)がいる超良血で、血統的なポテンシャルはきわめて高い。本馬は「Deputy Minster×Seattle Slew」。過去JRAで3頭しか走ってない組み合わせだが、そのなかからトーヨーシアトル(96年ウインターS-GIII、97年平安S-GIII)、ビッグマキバオー(98年神戸新聞杯-GII・5着)が出ている。ダート向きの中距離タイプ。

エドワードバローズ(牡 栗東・中竹和也 父Singspiel、母Silver Quest)
 母Silver Questは競走実績こそないが素晴らしい良血。半兄にブラックホーク(01年安田記念-GI、99年スプリンターズS-GI)、半妹にピンクカメオ(07年NHKマイルC-GI)と、兄妹に2頭のGIホースがいる。本馬は「Singspiel×Rainbow Quest」という組み合わせ。父はSadler's Wells系で、日本ではアサクサデンエン(05年安田記念-GI)、ローエングリン(重賞4勝)の父として知られている。重厚さが前面に出た配合なので、中距離以上で本領を発揮するタイプだろう。気性によっては短い距離もこなせる。大物感あり。

メイショウダイアナ(牝 美浦・小島太 父アグネスタキオン、母アイシャパウエル)
 半兄アグネスパウエル(父Smart Strike)とモンブランカフェ(父スペシャルウィーク)はともに1000万条件馬。全兄ダイワトルネードは新馬戦(ダ1800m)で3着となったきり休養入りしている。父アグネスタキオンのように素軽いスピードをコンスタントに伝える種牡馬は、相手の牝馬にスピードを求める必要がなく、むしろ重厚な血を積極的に取り入れることで底力を補給し、よりハイレベルな産駒を誕生させていく。母アイシャパウエルは「Caveat×Welsh Saint」というスタミナ十分の配合。アグネスタキオンとの相性は悪くないはず。芝・ダート兼用の中距離タイプ。

メイショウヨリトモ(牡 栗東・藤岡健一 父マンハッタンカフェ、母ノースオブダンジグ)
 母が22歳時の産駒。だが、母の父はDanzigなので血統は決して古くない。半姉ノースサンデー(父サンデーサイレンス)は桜花賞3着馬で、半兄マチカネアカツキ(父サンデーサイレンス)はラジオたんぱ杯2歳S(GIII)と東京スポーツ杯2歳S(GIII)でともに2着となった。本馬の父はサンデー産駒のマンハッタンカフェなので、厳密にいえば兄姉とは「4分の3兄弟」の関係になる。母系にDanzigを持つマンハッタンカフェはコンスタントに走っている。本馬も早い時期に勝ち上がってくるはず。芝の中距離タイプだろう。

ロングセレネ(牝 栗東・沖芳夫 父ジャングルポケット、母ロングオードリイ)
 母ロングオードリイは1勝馬。2代母タケノコーリーは桜花賞馬リーゼングロスとエリザベス女王杯馬タケノベルベットを姉妹に持つ超良血馬で、自身もラジオたんぱ杯3歳牝馬S(GIII)で3着となった。本馬はジャングルポケットが父。初年度産駒からフサイチホウオー、タスカータソルテ、トーセンキャプテンと3頭の重賞勝ち馬を送り出した父は、底力タイプのヨーロッパ血脈が主体となっており、ともすれば動きの鈍い産駒を出しがちなので、スピードに秀でたアメリカ血統をワンポイントでも入れたいところ。本馬の母の父はMr.Prospector系のアフリート。なかなか好感の持てる配合構成だ。マイルから2000mあたりが適距離で、芝もダートも行けるだろう。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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