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仕上がり早の快速馬サトノローズヒップ

  • 2007年07月10日(火) 23時49分
エーシンピークブイ(牡 栗東・藤原英昭 父エイシンプレストン、母ヴィデオピアノ)
 半兄エイシンツルギザン(父サクラバクシンオー)はニュージーランドT(GII)を勝ち、NHKマイルC(GI)で2着となった活躍馬。本馬の父エイシンプレストンは香港にたびたび遠征してG1を3勝。日本国内でも朝日杯3歳S(GI)など重賞を5勝している。本馬は1600〜1800mを得意とし、パンパンの高速馬場よりは力のいる馬場やダートのほうが合っているかもしれない。

サトノローズヒップ(牝 美浦・古賀慎明 父タイキシャトル、母スターマイライフ)
 「タイキシャトル×Storm Cat」という組み合わせは、メイショウボーラー(05年フェブラリーS-GI、03年デイリー杯2歳S-GII)、ツルマルオトメ(04年フェアリーS-GIII・5着)など、過去JRAで走った5頭がすべて2戦目までに勝ち上がっているという仕上がり早の快速配合。本馬もこの組み合わせを持ち、しかも母スターマイライフは牝馬ながら米年度代表馬に輝いたLady's Secretの半妹という良血。ダートの短距離ベストだが、ローカルなら芝もこなせるはず。

スギノバンディエラ(牡 美浦・鈴木康弘 父タニノギムレット、母スギノフォルモーザ)
 父は初年度からウオッカ、ヒラボクロイヤル、ゴールドアグリと3頭の重賞勝ち馬を送り出した。Roberto系らしく産駒の当たり外れが大きいため、どの子もコンスタントに活躍するわけではない。しかし、走る子はクラスの壁をやすやすと突破して出世していく。本馬は「タニノギムレット×サンデーサイレンス」なのでアブソリュート(2戦2勝)と同じ。母スギノフォルモーザはダイワメジャーと血統構成がほぼ同じ(父が同じで、母同士が全姉妹)という良血。高いポテンシャルを感じさせるので期待が大きい。

ステイドリーム(牡 美浦・佐々木亜良 父ジェイドロバリー、母クロッサンドラ)
 母クロッサンドラは現役時代、ダート戦線で息の長い活躍を見せ、オープンの欅S(ダ1400m)で2着となるなど、関東の馬券ファンにはお馴染みの馬だった。本馬はその初子。母と同じく佐々木亜良厩舎に入厩することになった。父がジェイドロバリーなのでダート戦を得意とするタイプだろう。平坦小回りのローカル戦も合っている。2代父Mr.Prospectorと母の父フジキセキは相性がいいので、配合的にも注目できる。

マイネルオドゥール(牡 美浦・坂本勝美 父コロナドズクエスト、母タイキフレグランス)
 父コロナドズクエストは現役時代にアメリカで重賞を8勝。トラヴァーズS(G1)、ハスケル招待H(G1)と2つのG1を制した。すでにアメリカで5世代をデビューさせ、G1を3勝したSociety Selectionを出している。日本ではバロンカラノテガミ(準OP)が出世頭。日本で種付けをした初年度産駒は今年デビューし、芝でエイシンパンサーが衝撃の差し切り勝ち決め、リワードアピオンがダートで2着となるなど、下馬評を上回る成功ぶりだ。同じフォーティナイナー産駒のエンドスウィープに近いタイプで、芝・ダート兼用タイプだろう。日本で生まれた産駒の活躍を見る前に死亡してしまった点もエンドスウィープとよく似ている。本馬の半姉アポロティアラはフェアリーS(GIII)の勝ち馬。仕上がりが早くスピード十分で、芝適性も問題ない。POG向きの素質馬だ。

マルカマックス(牡 栗東・増本豊 父シンボリクリスエス、母インディアナカーヴ)
 母インディアナカーヴはA.P.Indyを父に持つ外国産馬で、現役時代は芝を中心に走り、13戦5勝の成績を残した。産駒成績は悪くない。初子のインディドライバー(父フジキセキ)はダートで4戦2勝。2番子のフローラルカーヴ(父アグネスタキオン)はアネモネS(OP)でエミーズスマイルの2着となり、桜花賞にも出走した。本馬の父はシンボリクリスエス。晩成型の中長距離血統なので、これまでの産駒のようにはいかないかもしれないが、底力を感じる配合なので将来的には楽しみの大きな馬だ。

メイショウマリア(牝 美浦・小島太 父マンハッタンカフェ、母メイショウサブリナ)
 母メイショウサブリナは現役時代、通算11戦1勝という下級条件馬だったが、英仏のマイルG1を制したZilzalを叔父に持つ良血がモノをいい、繁殖牝馬としては好成績を残している。これまでにメイショウオウテ(07年産経大阪杯-GII・3着、07年日経新春杯-GII・4着)、メイショウカチドキ(OP)を送り出した。本馬の父はマンハッタンカフェ。底力あふれる中長距離血統で、オークスに間に合えばおもしろい。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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