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ジャンポケ産駒の好配合馬コンプトゥス

  • 2007年07月24日(火) 23時46分
オーログランデ(牡 栗東・池江泰郎 父シンボリクリスエス、母ゴールデンサッシュ)
 母ゴールデンサッシュは名馬サッカーボーイの全妹で、産駒にステイゴールド(01年香港ヴァーズ-G1、01年ドバイシーマクラシック-G2)、レクレドール(05年クイーンS-GIII)がいる。本馬の父はシンボリクリスエス。初年度産駒となる今年の2歳世代はまだ勝ち星を挙げていないが、晩成型の中長距離タイプと思われるだけに長い目で見たいところ。この馬も距離が延びてから本領を発揮しそうだ。

オメガカリビアン(牝 栗東・坂口正大 父フレンチデピュティ、母ゴッドインチーフ)
 母ゴッドインチーフはチューリップ賞(GIII)とファンタジーS(GIII)で2着、阪神3歳牝馬S(GI)で3着と健闘したまずまずの活躍馬。父フレンチデピュティはHail to Reasonとの相性がよく、とりわけRobertoとの組み合わせからクロフネ、ピンクカメオなどを出しており相性抜群。本馬はこのパターンに合致する。さらに、Mr.Prospectorが入るのも好感が持てる。これもフレンチデピュティ産駒をグレードアップさせるひとつの配合形式だ。芝・ダート兼用のマイラーだろう。

コンプトゥス(牡 栗東・松田国英 父ジャングルポケット、母コンフィデンス)
 「ジャングルポケット×ジェイドロバリー」の組み合わせは過去JRAで2頭が出走し、ジャングルテクノ(07年シンザン記念-GIII・5着)が出ている。NureyevとNumberの4分の3同血クロス(3×3)が生じるほか、ジャングルポケットと相性のいいNijinskyが母系に入るので、注目に値する配合パターンといえる。本馬はまさにこの組み合わせ。2代母の父Caroは、ジャングルポケットの代表産駒フサイチホウオーの母系にも入っている。芝・ダート兼用の中距離タイプ。

セマナサンタ(牝 栗東・清水出美 父サクラバクシンオー、母ダイナグロリア)
 母の父にカーネギーを持つサクラバクシンオー産駒は、過去JRAでたった3頭しかデビューしていないが、アドマイヤホクト(07年ファルコンS-GIII)とフラワリングバンク(準OP)が出ている。本馬はこのパターン。2代母ダイナエイコーンは新潟3歳S(GIII)を勝っており、仕上がりが早く2歳戦からガンガン走ってくるタイプだろう。マイル以下の芝が適条件。

ハリケーンジャズ(牡 栗東・角居勝彦 父アドマイヤベガ、母ディクシースプラッシュ)
 半兄にデルタブルース(06年メルボルンC-豪G1、04年菊花賞-GI、05年ステイヤーズS-GII)がいる。父がダンスインザダークからアドマイヤベガに替わったが、どちらもサンデー系。アドマイヤベガは基本的にスタミナ色の強い牝馬と相性がいいので、「Dixieland Band×Alleged」という組み合わせの母ディクシースプラッシュとはフィットするのではないかと思う。芝向きの中距離タイプ。

マッキーマイスター(牡 栗東・藤原英昭 父ダンスインザダーク、母クリアーチャンス)
 ダイヤモンドS(GIII)をレコード勝ちしたマッキーマックスの全弟。ダンスインザダーク産駒は、母系にディクタスとノーザンテーストを併せ持った配合が高確率で成功を収めており、マッキーマックス以外にも、ツルマルボーイ(04年安田記念-GI)、チョウサン(05年青葉賞-GII・4着)などの活躍馬が出ている。晩成型なので早い時期からガンガン走るというタイプではないが、確固たる配合的な裏付けがあるので、いずれ頭角を現してくるだろう。兄と同じく芝の中長距離タイプ。

ミッキーウィスパー(牡 栗東・池江泰郎 父クロフネ、母エヴリウィスパー)
 母エヴリウィスパーは地味ながら繁殖牝馬としてはハイレベルな存在。初仔のアドマイヤキラメキ(父エンドスウィープ)は準OP馬。2番仔のダークメッセージ(父ダンスインザダーク)は日経新春杯(GII)の3着馬。3番子のケアレスウィスパー(父フジキセキ)は関東オークス(交流GII)の2着馬。異なる種牡馬を相手にしてもコンスタントにトップクラスの産駒を輩出している。本馬の父はクロフネ。同馬は優れた繁殖牝馬との交配で確実に結果を残すタイプなので、上級条件まで出世する可能性は高いと思われる。ダート向きのマイラー。

ロードバロック(牡 美浦・田中清隆 父Rock of Gibraltar、母Lady Pastel)
 父Rock of Gibraltarは「ザ・ロック」の愛称で親しまれ、その父デインヒル譲りのスピードを武器に、ヨーロッパのマイル戦線を中心にG1を7連勝(世界新記録)するという偉業を成し遂げた。今年の2歳が2世代目。すでにMount Nelson(06年クリテリウム国際-仏G1)、Eagle Mountain(06年ベレスフォードS-愛G2、07年英ダービー-英G1・2着)などを輩出。07年から日本で供用されている。母Lady Pastelはオークス馬。引退後は海外に渡り、アイルランドで本馬を出産した。しっかりとした配合で悪くないが、スピード面に若干の懸念がある。これをクリアできればおもしろい。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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