エーシンペースワン(牡 美浦・久保田貴士 父エイシンプレストン、母オレゴンガール)
　母オレゴンガールはMr.Prospector系の快速馬Rubianoの娘で、現役時代はパワー型のスピードを武器にダートでOPクラスまで出世した。本馬はその初仔。父エイシンプレストンは香港にたびたび遠征してG1を3勝。日本国内でも朝日杯3歳S(GI)など重賞を5勝している。種牡馬としては相手牝馬にスピード血脈が欲しいタイプなので、この母は合っているだろう。エイシンプレストン産駒で唯一勝ち星を挙げたエーシンプリリードは、母が「Mr.Prospector系×Vice Regent」だった。本馬の母も「Mr.Prospector系×Vice Regent」なので血統構成は酷似している。芝・ダート兼用のマイラーだろう。

タツキセキ(牝 美浦・石毛善彦 父フジキセキ、母パシアン)
　半兄トーホウレーサー(父チーフベアハート)はニュージーランドT(GII)の勝ち馬。本馬はフジキセキが父。フジキセキ産駒は母系にPrincely Giftを持つものが成功しており、過去にダイタクリーヴァ(重賞5勝)、ドリームパスポート(重賞2勝)、オースミコスモ(重賞3勝）、タマモホットプレイ(重賞2勝)など多くの重賞勝ち馬が出ている。本馬は母の父がサクラユタカオー(Princely Gift直系)なのでこのパターンにあてはまる。大物感がある好配合馬だ。芝向きのマイラー。

ミッドセンチュリー(牡 栗東・池江泰郎 父Mineshaft、母ウェルカムミレニアム)
　母ウェルカムミレニアムはフランス産で、現役時代は同国のリステッドレース(6f)を勝ち、レゼルヴワール賞(仏G3)、オマール賞(仏G3)で2着となった。父MineshaftはA.P.Indy産駒で、現役時代はジョッキークラブGC(米G1)などG1を勝ちまくって米年度代表馬に輝いた。今年の2歳馬が初年度産駒。父が平均ペース型で決め手に懸念があるので、「Kendor×Kaldoun」という瞬発力を感じさせる母は、父の足りない部分を補完しそう。芝・ダート兼用の中距離型。

ロスペトリュス(牡 栗東・大久保龍志 父タイキシャトル、母ロスマリヌス)
　母ロスマリヌスはグレイトジャーニー(04年シンザン記念-GIII、06年ダービー卿CT-GIII)の全姉、ノーリーズン(02年皐月賞-GI)の半姉にあたる良血。現役時代は2戦2勝。2戦目の白菊賞(500万下)ではダイタクリーヴァ(重賞5勝)相手に完勝しており、故障せず現役生活をまっとうしていれば、サンデーサイレンス牝馬の代表産駒の1頭となっていた可能性もある。初仔のスマイルビジョン(父ブライアンズタイム)は未勝利に終わったが、本馬は「タイキシャトル×サンデーサイレンス」という成功確率の高い組み合わせなので期待できる。芝向きのマイラーで仕上がりは早い。

ウォーターボーイズ(牡 美浦・藤沢和雄 父Seeking the Gold、母Dance Design)
　母Dance Designは現役時代、愛オークス(愛G1)を制覇したほか、プリティポリーS(愛G2)を2連覇し、牡馬相手にタタソールズゴールドC(愛G2)も勝った。繁殖牝馬としては目立った実績を残していない。名牝ではあるが素軽いスピードに欠けるタイプなので、過去に交配した種牡馬がいずれもスタミナタイプだったのが良くなかったのかもしれない。その点、本馬は父がMr.Prospector系のSeeking the Gold。スピード十分なので好感が持てる。芝・ダート兼用の中距離タイプ。

エアパスカル(牝 栗東・池江泰寿 父ウォーエンブレム、母ラフィカ)
　ウォーエンブレムは初年度産駒がわずか4頭で、2年目の産駒もまだ2頭しかデビューしていない。極端に数が少ないものの成績は優秀で、芝連対率は50.0%(12戦6連対)、ダート連対率は47.6％(21戦10連対)。単純に連対率だけを比較すればサンデーサイレンスよりも優れている。母ラフィカは未勝利馬だが、全兄にブラックタキシード(99年セントライト記念-GII)がいるので血統的には評価できる。「ウォーエンブレム×サンデーサイレンス」という組み合わせは、ウォーエンブレムの代表産駒クランエンブレム(07年ラジオNIKKEI賞-GIII・6着)と同じ。基本的には芝向きだが、母系の奥にStorm Catがあるのでダートもこなすはず。