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ワイルドワンダーの4分の3弟ラインブレイクに期待

  • 2007年08月14日(火) 23時46分
ジャルダンドゥモネ(牝 美浦・武藤善則 父ジャングルポケット、母リリーポンド)
 ジャングルポケット産駒は叩き良化型で、2歳の早い時期からガンガン走るタイプは少ない。本馬は母の父がアメリカ血統のなかでも特に仕上がり早く、スピードに秀でているGrand Slamなので、父の弱点を補うはずだ。ちなみにGrand Slam産駒は2歳新馬戦で連対率63.2%(19戦12連対)と驚異的な成績を残している。Grand Slamの母の父はEl Gran Senorで、同馬はジャングルポケットの代表産駒フサイチホウオーの母系にも含まれている血統。芝・ダート兼用のマイラーだろう。

ローレルブレイク(牡 美浦・根本康広 父ヘクタープロテクター、母エリモハスラー)
 半兄に函館記念(GIII)を3連覇したエリモハリアー(父ジェネラス)がいる。本馬の父はMr.Prospector系のヘクタープロテクター。兄とはまったく違ったタイプに出そうだ。Riverman≒ブレイヴェストローマン3×2はパワフル。芝よりもダートを得意とする可能性が高く、平坦コースが得意なのでローカル競馬が稼ぎ場だろう。仕上がりが早いので新馬戦から能力を全開する。

ウインプラチナム(牝 美浦・国枝栄 父ゼンノエルシド、母ダイヤモンドビコー)
 母ダイヤモンドビコーは、現役時代に阪神牝馬S(GII)、ローズS(GII)など4つの重賞を制覇し、エリザベス女王杯(GI)でもファインモーションの2着となった名牝。その初仔が本馬。父ゼンノエルシドは現役時代にマイルCS(GI)を勝ったマイラーで、初年度産駒からマイネルシーガル(07年スプリングS-GII・2着)を送り出している。本馬はマイネルシーガルと同じく母の父にサンデーサイレンスを持つ。芝1600〜2000mに向いている。

メイクセンス(牡 栗東・藤原英昭 父フジキセキ、母イクスペクトトゥシャイン)
 フジキセキ産駒は母系にMr.Prospectorを持つものが成功している。カネヒキリ(05年JRA賞最優秀ダートホース)、コイウタ(07年ヴィクトリアマイル-GI)、テンシノキセキ(03年セントウルS-GIII)をはじめ多数の活躍馬が出ている。本馬は母の父がMr.Prospectorなのでこのパターン。2代母Frankovaは本邦輸入種牡馬アサティスの半妹で、母系の奥にRibot系の血が入るのは好感が持てる。兄姉3頭はすべて勝ち上がっており、全兄シャドウハーツは1000万下のダートで活躍している。本馬もマイル以下のダートをフィールドとするだろう。馬のデキがよければ上級クラスまで出世可能。

ラインブレイク(牡 美浦・久保田貴士 父タニノギムレット、母ワルツダンサー)
 母ワルツダンサーは現役時代、マイル以下の芝を得意とし、OPクラスまで出世した。産駒のワイルドワンダー(父ブライアンズタイム)は強力な差し脚を武器とするダート馬で、アンタレスS(GIII)とプロキオンS(GIII)を連勝している。本馬の父はブライアンズタイム系のタニノギムレットなので、ワイルドワンダーと「4分の3兄弟」の関係にある。血統構成がよく似ているので基本的に似たタイプになるはず。瞬発力を備えていれば楽しみ。

ラルケット(牝 美浦・和田正道 父ファルブラヴ、母アズサユミ)
 母アズサユミは現役時代、500万下の目立たない競走馬だったが、サンデーサイレンスを父に持ち、2代母が七冠馬シンボリルドルフの全姉という良血がモノをいったのか、繁殖牝馬としては優秀。初仔のアルバレスト(父スターオブコジーン)、2番仔のクランエンブレム(父ウォーエンブレム)はいずれも準OPで走っている。本馬は新種牡馬ファルブラヴが父。1800〜2000mあたりを得意とする芝馬で、2頭の兄と同じくらいの出世をしてもおかしくない。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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