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新馬戦から能力全開、フロムスクラッチ

  • 2007年08月21日(火) 23時46分
エーシンハイテンス(牡 栗東・坂口正則 父Holy Bull、母Eishin Tennessee)
 母Eishin Tennesseeはかつて栗東に所属したエイシンテネシーのこと。現役時代は牡馬相手に金杯・西(GIII)を勝ち、香港に遠征して香港ヴァーズ4着という成績もある。日本で繁殖生活を送っていた時代にエイシンワンシャン(02年新潟記念-GIII・5着)を送り出した。アメリカに移ってからエイシンペキン(障害OP)を出したものの、それ以外の産駒はイマイチの成績。本馬の父Holy Bullは大胆な異系血統で、過去のEishin Tennessee産駒とは配合パターンが異なるので、新味が引き出されるかもしれない。

オースミターゲット(牡 栗東・南井克巳 父アグネスタキオン、母ナリタルナパーク)
 母ナリタルナパークは現役時代、中山牝馬S(GIII)を勝ち、秋華賞(GI)で2着となった活躍馬。しかし、繁殖成績は凡庸。過去にデビューした3頭が計10走しているものの、すべて10着以下に敗れている。本馬の父はアグネスタキオン。次期リーディングサイアーの呼び声が高い名種牡馬で、コンスタントに産駒を走らせることにかけては定評があるので、期待できるだろう。「アグネスタキオン×ブライアンズタイム」は連対率27.3%と悪くない。芝・ダート兼用の中距離タイプ。

キタサンユキ(牝 栗東・須貝彦三 父マリエンバード、母キタサンヒボタン)
 母キタサンヒボタンは通算7戦5勝。デビュー4連勝でファンタジーS(GIII)を制し、阪神JF(GI)で1番人気(4着)に推されたスピード馬だった。屈腱炎に罹らなければフジキセキ牝馬の代表産駒になっていた可能性もある。本馬はその初仔。父マリエンバードは交配牝馬にスピードが欲しいタイプなので、組み合わせ的に悪くない。芝の中距離タイプだろう。

クラクエンマリー(牝 栗東・武宏平 父アドマイヤコジーン、母プリンセスマリー)
 半姉シャペロンルージュ(父サクラバクシンオー)は未勝利→500万特別と連勝した芝の快速馬。本馬の父はアドマイヤコジーンで、これも早熟のスピードタイプなので、2歳戦からガンガン走ってくるだろう。2代母の父Pleasant Colonyは底力あふれるRibot系の種牡馬。こういう血が入るとアドマイヤコジーン産駒は大物感を増す。芝のマイラー。

テイエムノキセキ(牝 栗東・岩元市三 父フジキセキ、母アラマサブレーヴ)
 母アラマサブレーヴは「父ダンシングブレーヴ、母アラホウトク(桜花賞馬)」という良血。繁殖牝馬としてはこれまでにテイエムアラムシャ(障害OP)を出している。本馬の父はフジキセキ。この配合は期待が持てる。フジキセキは母系にPrincely Giftが入る配合パターンが成功しており、過去にダイタクリーヴァ(重賞5勝)、ドリームパスポート(06年きさらぎ賞-GIII、GI・2着3回)、オースミコスモ(重賞3勝)、タマモホットプレイ(重賞2勝)などの大物を輩出している。母アラマサブレーヴの高いポテンシャルがこの配合によって導き出されるかもしれない。

フロムスクラッチ(牝 栗東・沖芳夫 父Grand Slam、母Snow Dance)
 母Snow Danceは現役時代、北米で23戦8勝。芝8.5f〜10fのG2、G3を計6勝した。これにMr.Prospector系のGrand Slamを付けた本馬は、昨年8月に米ニューヨーク州サラトガで行われたファシグティプトンのセールにおいて、38万5000ドル(約4500万円)の高値で落札された。父Grand Slamは2歳戦の連対率が50%、新馬戦に限れば63.2%という驚異的な成績を誇る。新馬戦からガンガン走り、上級クラスまで出世しそうだ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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