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高い将来性を感じるフジキライディーン

  • 2007年08月28日(火) 23時46分
アドバンスピール(牡 美浦・池上昌弘 父Singspiel、母ウィギング)
 母ウィギングはこれといって目立った成績は挙げられなかったが、その兄弟にはEye Drop、Bluebook、Myselfと3頭のグループレース勝ち馬がいる。また、2代母PushyはイギリスでG2とG3を勝ち、その半弟Jupiter Islandは第6回ジャパンC(GI)の優勝馬。母系は華やかで、確実に良質のものを伝えている。本馬の父SingspielはSadler's Wells系で、ローエングリンやアサクサデンエンの父として知られている。マイルから2000mあたりを得意とし、芝だけでなくダートもこなすはず。

アミューズチェリー(牝 美浦・嶋田功 父サクラバクシンオー、母ダイアナチェリー)
 父サクラバクシンオーは日本を代表する快速種牡馬。母系にNijinskyを持つ配合はニックスで、ショウナンカンプ(高松宮記念など重賞3勝)、シーイズトウショウ(CBC賞など重賞5勝)など多数の活躍馬が出ている。本馬は母の父がマルゼンスキーなのでこのパターンにあてはまる。2代母は桜花賞馬ダイアナソロンという良血で、配合の完成度は高い。全姉ジュエリーチェリーは不振だが、馬のデキさえよければ十分期待できる。

セゾンシチー(牡 栗東・佐々木晶三 父アグネスタキオン、母クリノトップレディ)
 母クリノトップレディは「Salt Lake×Mr.Prospector」という血統どおり、仕上がりの早いスピードタイプで、芝・ダートを問わず1000〜1200mで実績を残した。本馬の父はアグネスタキオン。間違いなく仕上がりは早いと思われる。大物感はないが確実に勝ち上がり、ローカルの短距離戦など、自分が得意条件であれば昇級後も確実に着を拾ってくる。馬主にとってはありがたいタイプ。

ソウルスクリーム(牡 栗東・鮫島一歩 父Tale of the Cat、母Tricky Squaw)
 母Tricky SquawはアメリカでネクストムーヴH(G3)、アフェクショニトリーH(G3)を勝った活躍馬。繁殖牝馬としてはこれといった大物は出していないものの、手堅く稼ぐ仔をコンスタントに送り出している。本馬の父はStrom Cat系のTale of the Cat。仕上がりの早さとスピードが持ち味の種牡馬なので、デビュー戦から能力を全開するはず。短距離のダートに向く。

タカラストーン(牡 美浦・国枝栄 父Grindstone、母Tropico Cielo)
 全兄エコルプレイスはグランシャリオC(交流GIII)を勝ち、シリウスS(GIII)2着、根岸S(GIII)3着など、1400m前後を得意とするダートの鬼だった。半兄トロピカルライト(父Mizzen Mast)は兵庫ジュニアグランプリ(交流GIII)を勝ち、全日本2歳優駿(交流GI)でも2着と健闘した。確実に結果を出す血統なので本馬にかかる期待は大きい。脚抜きのいいダートで特に強い。

フジキライディーン(牡 美浦・池上昌弘 父コロナドズクエスト、母ランフォザドリーム)
 半姉フィーユドゥレーヴは函館2歳S(GIII)の勝ち馬。母ランフォザドリームは朝日チャレンジC(GIII)とマーメイドS(GIII)を勝ち、エリザベス女王杯(GI)でもメジロドーベルの2着と健闘した名牝。牝系の質は申し分ない。父コロナドズクエストは新種牡馬の勝ち星ランキングで現在トップに立っている(4勝)。芝・ダートを問わず走っており、連対率は40%を超えている。父母両系ともにポテンシャルが高く、配合も上々なので将来性は高い。芝中距離がベスト。

ヨシクリスエス(牡 美浦・嶋田潤 父シンボリクリスエス、母パイアン)
 父シンボリクリスエスは初年度産駒が期待ほど走っていない。ただ、連対率は悪くなく、もともと晩成型でもあるので、長い目で見たい種牡馬ではある。現状、スピード不足が目に付くので、スピード値の高い母系を持った産駒に注目したいところ。本馬の母パイアンは現役時代、芝1200mのセントウルS(GIII)で2着となった快速馬で、その半妹にはファルコンS(GIII)2着のカノヤザクラがいる。母系のスピード値はかなり高い。シンボリクリスエス産駒にしては仕上がりが早く、マイル前後に対応可能なスピードも持ち合わせているはず。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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