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大物感あふれるファリダット

  • 2007年09月18日(火) 23時46分
イイデシンゲン(牡 栗東・昆貢 父ブライアンズタイム、母ミラーズミガ)
 「ブライアンズタイム×ロイヤルスキー」という組み合わせで、母ミラーズミガは南関東の大井競馬で走った。一見、これといったセールスポイントはないのだが、配合的には見どころがある。母系にイルドブルボンを持つブライアンズタイム産駒は成功しており、過去にエリモダンディー(98年日経新春杯-GII、97年京阪杯-GIII)、シルクライトニング(97年皐月賞-GI・2着)などが出ている。重厚な中距離タイプで、芝・ダート兼用。

シルクパルティータ(牝 美浦・谷原義明 父マーベラスサンデー、母ウエルシュクイーン)
 「マーベラスサンデー×Caerleon」という組み合わせはシルクフェイマス(04年日経新春杯-GII、04年京都記念-GII、06年アメリカJCC-GII)と同じ。マーベラスサンデーは基本的にNijinskyと相性がよく、シルクフェイマスのほかにサイレンスボーイ(04年アンタレスS-GIII・2着、04年武蔵野S-GIII・2着)、オーゴンサンデー(04年京成杯AH-GIII・5着)、メイショウサライ(07年プロキオンS-GIII・4着)などが出ている。兄姉に大物はいないがコンスタントに走っているので、一定以上の活躍は期待できる。

ダノンアスカ(牡 栗東・沖芳夫 父ブライアンズタイム、母シェイクハンド)
 母シェイクハンドはMr.Prospector産駒の外国産馬で、現役時代はニュージーランドT4歳S(GII)を制したほか、豊かなスピードを武器に芝・ダートを問わず重賞で上位入着を重ねた。引退後は日本のトップクラスの種牡馬と毎年交配している。競走年齢に達した産駒は4頭いるのだが、デビューしたのは1頭のみ。体質の弱さを伝えるのかもしれない。ただ、競走能力はしっかり伝えており、唯一デビューしたインプレッション(父サンデーサイレンス)はGIIとGIIIで3着となった。本馬もデビューまで漕ぎ着けることができればおもしろい存在になりそうだ。芝・ダート兼用のマイラー。

ディアギレフ(牡 美浦・小笠倫弘 父Theatrical、母Afleet Would)
 母Afleet Wouldは北米で19戦5勝、ステークス入着経験がある。血統は優秀で、その半兄Vaudeville(父Theatrical)はセクレタリアトS(米G1)、アメリカンダービー(米G2)を勝つなど、芝のビッグレースで活躍した。本馬は父がTheatricalなので、伯父のVaudevilleとは4分の3同血の関係にある。基本的には芝の中距離タイプだが、母の父にアフリートが入るのでダート適性もあるだろう。

トーセンドラクロワ(牡 美浦・鈴木康弘 父マンハッタンカフェ、母フェンジー)
 半姉フレンチビキニ(父サンデーサイレンス)は準OP馬、もう1頭の半姉フレンチアイディア(父サンデーサイレンス)はチューリップ賞(GIII)6着馬。上はまずまず走っている。本馬の父マンハッタンカフェは、代表産駒のメイショウレガーロ(07年京成杯-GIII・2着)とココナッツパンチ(07年弥生賞-GII・2着、07年目黒記念-GII・2着)がいずれも母系にBlushing Groomを持っている。本馬の母の父SaumarezはBlushing Groom産駒。したがって本馬はこのニックスに当てはまる。芝向きの中長距離タイプだろう。

ファリダット(牡 栗東・松元茂樹 父Kingmambo、母Believe)
 育成時代からその大物ぶりが鳴り響いていた逸材。母ビリーヴはいうまでもなく短距離界の女王で、スプリンターズS(GI)、高松宮記念(GI)など4つの重賞を制した。引退後はアメリカに渡って繁殖生活を送っている。Kingmamboを父とする本馬はその初仔。500kgを超える雄大な馬格は大物感にあふれている。母はスプリンターだったが、「Kingmambo×サンデーサイレンス」という組み合わせなので、マイルぐらいならまったく問題なく、気性によっては2000mまでこなしてもおかしくない。順調にいけば秋の京都開催でデビューする予定。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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