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楽しみの大きな配合、エイシンフレンチ

  • 2007年09月25日(火) 23時46分
アイルビーバウンド(牝 美浦・勢司和浩 父タニノギムレット、母バウンドトゥダンス)
 半姉にシルクプリマドンナ(00年オークス-GI)、半兄にモエレアドミラル(04年北海道2歳優駿-交流GIII)がいる良血。この2頭の父はブライアンズタイムで、本馬の父はタニノギムレット(父ブライアンズタイム)なので、血統構成はかなり近い。厳密にいえば半弟ではなく「4分の3弟」ということになる。芝・ダート兼用でスタミナと底力に秀でている。素軽さが備わっていればおもしろい。

アラマサトップガン(牝 美浦・阿部新生 父マヤノトップガン、母アラマサダンサー)
 2代母アラホウトクは桜花賞馬で、母アラマサダンサーは目黒記念(GII)4着馬。これにマヤノトップガンを付けて本馬が誕生した。母の父にダンシングブレーヴを持つ活躍馬にはスイープトウショウ、メイショウサムソンなどがいる。スイープトウショウの母タバサトウショウは「ダンシングブレーヴ×トウショウボーイ」という組み合わせだが、これは本馬の母アラマサダンサーとまったく同じ。繁殖牝馬として大きな期待がかかる。母系の切れ味を産駒に伝えることができれば楽しみ。芝の中距離タイプ。

エイシンフレンチ(牡 美浦・大久保洋吉 父フレンチデピュティ、母チャーミングファピアノ)
 半姉アルーリングアクトは小倉3歳S(GIII)の勝ち馬で、その娘アルーリングボイスは小倉2歳S(GIII)とファンタジーS(GIII)を勝った。アルーリングボイスと本馬はともにフレンチデピュティ産駒なので、両者は単に叔父と姪の間柄ではなく、「4分の3同血」ということになる。競走馬としての性質も似ているはずだ。仕上がりが早く、早い時期に完成するので2歳戦に強い。どちらかといえば平坦コースに向いている。フレンチデピュティはMr.ProspectorとHail to Reasonを併せ持つ繁殖牝馬と抜群の相性を示しているので、確実に走ってくるだろう。

グラスブラスト(牡 美浦・尾形充弘 父マンハッタンカフェ、母レンII)
 半姉にレンドフェリーチェ(03年マーメイドS-GIII・4着)、レインダンス(07年ローズS-GII・3着)、半兄にアサクササイレン(04年共同通信杯-GIII・5着)がいる。兄姉がコンスタントに走っているので、本馬も高い確率で走ってきそうだ。父がマンハッタンカフェなので中長距離に適性があり、同じサンデー系のアサクササイレン、レインダンスに近いタイプになりそう。

サンライズアイ(牡 栗東・石坂正 父フレンチデピュティ、母サンデーアイ)
 半兄にアイポッパー(07年阪神大賞典-GII、06年ステイヤーズS-GII)、インマイアイズ(OP)がいる良血。「フレンチデピュティ×サンデーサイレンス」の組み合わせは堅実に走っており、ライラプス、アンブロワーズ、サイレントプライド、トーセンマーチといった重賞連対馬が出ている。母系の血統背景は申し分なく、確実に走ってくるものと思われる。平坦コースは得意だろう。

ジェンティリティー(牡 栗東・中竹和也 父タイキシャトル、母キャットクイル)
 桜花賞(GI)、秋華賞(GI)、エリザベス女王杯(GI)などを制した名牝ファレノプシスの半弟。この牝系からは4冠馬ナリタブライアンも出ている。父がブライアンズタイムからタイキシャトルに替わったので、牡馬三冠レースを狙うスタミナや大物感はないものの、「タイキシャトル×Storm Cat」という組み合わせからはメイショウボーラーやツルマルオトメといった活躍馬が出ており、配合的に決して見劣ることはない。芝・ダート兼用のマイラーだろう。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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