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狙いは桜花賞、エイシンチーター

  • 2007年10月02日(火) 23時46分
ダンツウィニング(牡 栗東・山内研二 父コマンダーインチーフ、母テーケーレディー)
 母テーケーレディーは南関東で4冠を達成した女傑ロジータの半妹で、現役時代に東京3歳優駿牝馬(大井重賞)を勝った。本馬はその初仔。メロウマダング(ロジータの母)の一族にコマンダーインチーフを交配した活躍馬には、イブキガバメント(01年朝日チャレンジC-GIII、02年鳴尾記念-GIII)、レギュラーメンバー(01年JBCクラシック-交流GI、01年川崎記念-交流GI、00年ダービーグランプリ-交流GI)などがいる。本馬はこれらと血統構成がよく似ており、Drone≒Sir Ivor 4×4という近似血脈のクロスもおもしろい。ダートの中距離で強そうだ。

ヒシディーバ(牝 栗東・佐山優 父Fusaichi Pegasus、母Hishi Natalie)
 母Hishi Natalieは阪神牝馬特別(GII)など4つの重賞を制したヒシナタリーのこと。Glorious Song(米古牝馬チャンピオン)、Devil's Bag(米2歳牡馬チャンピオン)、Saint Ballado(名種牡馬)などのイトコにあたる超良血だ。引退後、日本でナリタブライアンの仔を産んでアメリカに渡り、繁殖生活を送っている。そこでの初産駒ヒシルーシッドは京都新聞杯(GII)6着馬。肌馬としても悪くない。本馬の父はMr.Prospector系のFusaichi Pegasus。ダート向きの中距離タイプになりそうだ。

マイネルチャールズ(牡 美浦・稲葉隆一 父ブライアンズタイム、母マイネプリテンダー)
 母マイネプリテンダーはニュージーランド産馬で、豪リーディングサイアーのZabeel(OctagonalやMight and Powerなどを送り出した名種牡馬)を父に持つ。すでに3頭の仔が競馬場でデビューしており、いずれも2勝以上を挙げている。本馬の全姉マイネヌーヴェルはフラワーC(GIII)を勝ち、全兄マイネルアワグラスはジャパンダートダービー(交流GI)で4着となった。本馬も重賞級の活躍が期待できる。

メジロアリエル(牝 美浦・大久保洋吉 父サクラバクシンオー、母メジロダーリング)
 母メジロダーリングはアイビスサマーD(GIII)の初代優勝馬。初仔のメジロアダーラ(父フレンチデピュティ)は2歳時にカンナS(OP)を逃げ切った早熟のスピード馬だった。本馬の父はサクラバクシンオー。父母ともにスプリント重賞を勝った究極のスピード配合なので、間違いなく2歳の短距離戦では強いだろう。問題は底力と成長力。このあたりがしっかりしていれば重賞も狙える。

ライトオブピース(牡 美浦・古賀史生 父Tale of the Cat、母Out of Sync)
 母Out of Syncはアメリカで走り、フリゼットS(G1)で2着と健闘した。その母がアルゼンチンからの輸入馬で、全体的に異系色が強く、その分、奥が深いともいえる。父Tale of the Catは名種牡馬Storm Catの有力な後継種牡馬の1頭で、馬力型のスピードと仕上がりの早さには定評がある。ダート新馬戦ではなんと連対率71.4%(7戦5連対)。もしこの条件に出てきたら迷わず買いだ。

エイシンチーター(牝 栗東・坂口正則 父スペシャルウィーク、母アラデヤ)
 半兄マイネルスケルツィ(父グラスワンダー)はニュージーランドT(GII)と京都金杯(GIII)を勝ったマイラー。もう1頭の半兄エイシンイチモンジ(父マンハッタンカフェ)はキャリア4戦で引退してしまったが、新馬戦を勝ったあといちょうS(OP)でクビ差の2着。能力を感じさせる馬だった。本馬の父はスペシャルウィーク。「サンデー系×Machiavellian」という配合なのでスウィフトカレント(06年小倉記念-GIII)によく似ている。兄弟がコンスタントに走っているので一定以上の成功は堅そうだ。桜花賞向き。

オレンジシュプール(牝 栗東・松田国英 父ジャングルポケット、母オレンジブロッサム)
 母オレンジブロッサムは2勝馬。サンデー産駒としてはごく平凡な競走馬だったが、全姉にオレンジピール(重賞3勝)、半姉にメローフルーツ(93年札幌3歳S-GIII)がいる良血。これにジャングルポケットを付けて本馬が誕生した。「ジャングルポケット×サンデーサイレンス」の組み合わせは、フサイチホウオーとトーセンキャプテンという2頭の重賞勝ち馬を出しており成功している。芝向きのマイラー。

カイゼリン(牝 栗東・松田国英 父アドマイヤベガ、母ブロードアピール)
 母ブロードアピールは強烈な追い込みを武器に短距離で活躍した馬で、当初はシルクロードS(GIII)を勝つなど芝をメインに走っていたが、ダートに転じてからトップクラスに上り詰め、5つの重賞を制覇した。繁殖牝馬としてはこれまで2頭の産駒をデビューさせているものの、いずれもパッとしない。本馬はサンデー系のアドマイヤベガを父に持つ。どちらかといえばダート向きで、スピードを活かすタイプだろう。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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