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フジキセキ産駒のA級配合、ナリタダイコク

  • 2007年10月09日(火) 21時23分
ゴールデンガッツ(牡 栗東・加用正 父アグネスタキオン、母ゴールデンジャック)
 母ゴールデンジャックは4歳牝馬特別・西(GII)と4歳牝馬特別。東(GII)を勝ったほか、オークス(GI)でも2着に食い込んた。アフリート産駒でありながら2400mのGIで勝ち負けに持ち込んだのは高い能力の証明。繁殖牝馬としても優秀で、関屋記念(GIII)を含めて重賞を3勝したサイドワインダーを産んでいる。本馬の父はアグネスタキオン。素軽いマイラーで2歳戦も得意だろう。

タイキルネサンス(牡 美浦・勢司和浩 父Fasliyev、母グッドゲーム)
 母グッドゲームは現役時代、アメリカでヴァレーヴューS(G3・芝8.5f)など6勝を挙げた。父Fasliyevは現役時代、愛、英、仏で5戦全勝の成績を挙げて全欧2歳チャンピオンに輝いた名馬。初年度産駒がデビューした03年、いきなり全欧2歳チャンピオンサイアーとなり、新種牡馬の2歳勝ち馬頭数の世界新記録(34頭)を樹立した。08年から日本で種牡馬入りする予定。本馬は芝・ダート兼用のマイラーで、2歳戦から能力を全開する。

ダイワスピリット(牝 栗東・松田国英 父ダンスインザダーク、母ロンドンブリッジ)
 母ロンドンブリッジはファンタジーS(GIII)を勝ち、桜花賞でも2着に逃げ粘った快速馬。繁殖成績は優秀で、これまでにダイワエルシエーロ(04年オークス-GI、04年クイーンC-GIII、04年京阪杯-GIII、05年マーメイドS-GIII)、ビッグプラネット(05年アーリントンC-GIII、京都金杯-GIII)の2頭が重賞を勝ち、出走した4頭すべてが勝ち上がっている。本馬の父はダンスインザダーク。芝の中距離タイプで桜花賞、オークスのどちらにも対応可能な血統だ。一定以上の活躍は間違いなさそう。

ナリタダイコク(牡 栗東・加藤敬二 父フジキセキ、母タニノホロホロ)
 「フジキセキ×トニービン」という組み合わせはドリームパスポート(06年神戸新聞杯-GII、06年きさらぎ賞-GIII)、ユメノシルシ(07年新潟記念-GIII)と同じ。また、フジキセキは母系にPrincely Giftが入る配合パターンも成功しており、過去にダイタクリーヴァ(重賞5勝)、ドリームパスポート(前出)、オースミコスモ(重賞3勝)、タマモホットプレイ(重賞2勝)などの大物を輩出している。本馬は2つのニックスを同時に持っているが、これはドリームパスポートと同じ。さらに、2代母タニノターゲットはラジオたんぱ杯3歳牝馬S(GIII)を逃げ切り、桜花賞(GI)でも3着に粘った快速馬。配合、血統背景ともに申し分なく、フジキセキ産駒の配合としては文句なしのA級だ。芝のマイルから2000mあたりがベスト。

ヒシカスタム(牡 栗東・佐山優 父アドマイヤベガ、母ヒシピナクル)
 母ヒシピナクルはヒシアマゾン(94年エリザベス女王杯-GI、93年阪神3歳牝馬S-GI)、ヒシナイル(96年フェアリーS-GIII)の妹にあたる良血。本馬はその3番目の産駒。初子のヒシオーシャン(5戦0勝)、2番子のヒシルーマー(4戦1勝)は期待ほどの成績を挙げていないが、ポテンシャルの高い血統だけに、いつ大物を出してもおかしくない。本馬はアドマイヤベガが父。意外なことにこの牝系とサンデー系種牡馬が交わった例はほとんどない。ただ、その数少ない一例がマイケイティーズ(アドマイヤムーンの母)なので基本的に相性はいいはず。期待十分。

フォーマルモード(牡 栗東・橋口弘次郎 父アグネスタキオン、母クイーンモード)
 母クイーンモードは現役時代、フランスでヴェルメイユ賞(G1)、ヴァントー賞(G3)を勝った名牝。ヨーロッパ血統の奥深さを感じさせるスタミナ血統で、現代の主流血脈をまったく含んでいない。アメリカ血統の種牡馬を付ければ何でも走りそうな雰囲気があり、事実、リバースモード(父Fusaichi Pegasus、3勝)、ハイソサエティー(父フレンチデピュティ、3勝)といった素質馬を輩出している。本馬の父はアグネスタキオン。配合レベルは高く、確実に走ってきそうだ。

キラリン(牝 美浦・小笠倫弘 父シンボリクリスエス、母ペイパーレイン)
 半兄マツリダゴッホ(父サンデーサイレンス)はオールカマー(GII)、アメリカJCC(GII)と2つの重賞を勝っている。本馬の父シンボリクリスエスは新種牡馬。6〜7月は不振だったが、シーズンが深まるにつれ調子が出ててきており、いつの間にか8頭が勝ち上がっている。晩成型の中長距離タイプ。本馬も使いつつ上昇していくタイプだろう。芝1800m以上で本領を発揮する。オークス向き。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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