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ロジータの娘ヤマノボンディールに期待

  • 2007年10月23日(火) 23時46分
セントラルコースト(牡 栗東・池江泰寿 父War Chant、母Taine)
 半兄Puzzlement(父Pine Bluff)はサラトガブリーダーズカップH(米G2・ダ10f)、ハルズホープH(米G3・ダ8.5f)の勝ち馬。本馬の父War Chantは父Danzig、母Hollywood Wildcat(BCディスタフの勝ち馬)という良血馬で、自身もBCマイル(米G1・芝8f)を制覇した活躍馬。日本ではモルトグランデ(準OP)、トップディアマンテ(準OP)などが代表格。どちらかといえば芝向きで、母系の血によって多彩な産駒を出す傾向がある。本馬は芝・ダート兼用の中距離タイプだろう。

トーセンフルライフ(牝 美浦・加藤和宏 父ティンバーカントリー、母アナスミラビリス)
 母アナスミラビリスは、その母スカーレットブルーがスカーレットブーケ(ダイワメジャー、ダイワスカーレットの母)の全姉に当たる良血であるせいか、なかなか優秀な繁殖成績を残しており、これまでにJRAでデビューさせた7頭の産駒うち6頭が勝ち上がっている。特に本馬の全姉にあたるトーセンジョウオーは、地方競馬のダートに抜群の適性を見せ、エンプレス盃(交流GII)、関東オークス(交流GIII)など5つの重賞を制している。本馬も姉と同じく1800m前後を得意とするダート馬となりそうだ。

ピクトリアル(牝 美浦・加藤和宏 父ダンスインザダーク、母ダイナシュガー)
 母ダイナシュガーは桜花賞トライアルの4歳牝馬特別・西(GII)の勝ち馬。本馬は母が24歳時の産駒で、1988年生まれの初仔(昭和生まれ!)から数えて16番目の仔となる。兄弟のなかでは、ムッシュシェクル(94年阪神大賞典-GII、94年日経新春杯-GII、93年アルゼンチン共和国杯-GII)とシクレノンシェリフ(93年毎日杯-GIII)が重賞を勝っている。2歳上の全兄テイエムハーンはダート2勝馬。芝・ダート兼用の中距離タイプだろう。

フルーティスト(牝 美浦・土田稔 父マンハッタンカフェ、母エムジーピッコロ)
 準OP馬ダンスフォーウィン(父ダンスインザダーク)の半妹。父マンハッタンカフェは、代表産駒のオリエンタルロック(07年札幌2歳S-GIII)、メイショウレガーロ(07年京成杯-GIII・2着)、ココナッツパンチ(07年弥生賞-GII・2着、07年目黒記念-GII・2着)がいずれも母系にBlushing Groomを持っている。この配合パターンはニックスといっていいだろう。本馬は母の父ハウスバスターがBlushing Groom系なのでこの形。ハウスバスターはオリエンタルロックの母エンジェルインザモーニングと4分の3同血の関係にあり、血統構成がきわめて近い。芝向きの中距離タイプで、ダートもこなす。

ヤマノボンディール(牝 栗東・領家政蔵 父ダンスインザダーク、母ロジータ)
 母ロジータは地方競馬史上最高の名牝の1頭で、南関東3冠(羽田盃、東京ダービー、東京王冠賞)に加え、東京大賞典、川崎記念、浦和桜花賞などを制した。繁殖成績も優秀。これまでにカネツフルーヴ(02年帝王賞-交流GI、03年川崎記念-交流GI)、イブキガバメント(01年朝日チャレンジC-GIII、02年鳴尾記念-GIII)、アクイレジア(04年ジャパンダートダービー-交流GI・2着)、オースミサンデー(97年弥生賞-GII・2着)などを送り出している。本馬の父はダンスインザダーク。芝・ダート兼用の中距離タイプでオークス向き。

リーサムクラウン(牡 美浦・大江原哲 父アグネスタキオン、母エビスファミリー)
 半兄ブルーコンコルドは東京大賞典(交流GI)、JBCマイル(交流GI)、南部杯(交流GI)2回、かしわ記念(交流GI)など多くのビッグレースを制している砂の名馬。「アグネスタキオン×ブライアンズタイム」の組み合わせは現在のところダート向きに出ることが多い(馬券対象になったのはすべてダート戦)ので、本馬もダート向きの可能性が高い。仕上がりが早く、1400〜1800mがベスト。

アイスボックス(牝 美浦・相沢郁 父アドマイヤベガ、母ジェラート)
 母ジェラートは未勝利馬だが繁殖牝馬としては優秀。初仔のシャーベットトーンはマーキュリーC(交流GIII)を9馬身差で圧勝したほか、東海S(GII)と平安S(GIII)でいずれも3着となった砂の強豪。2番仔のアルカライズは現1000万下。本馬は3番仔で、父はアドマイヤベガ。兄2頭がいずれもダート向きだったので、この馬もどちらかといえばダートのほうがいいかもしれない。仕上がりは早く、1400〜1800mあたりに向いている。

グレートロンドン(牡 栗東・藤沢則雄 父ワイルドラッシュ、母オールフォーロンドン)
 母オールフォーロンドンの23歳時の産駒。半姉にロンドンブリッジ(97年ファンタジーS-GIII、98年桜花賞-GI・2着)、半兄にナリタオンザターフ(01年名古屋優駿-交流GIII)がいる。競馬場でデビューした兄姉10頭のうち9頭が勝ち上がっているように、この血統は確実性も持ち味。本馬も一定以上の成績を残すことは間違いなさそう。父ワイルドラッシュは今年の新種牡馬。アメリカに繋養されていた時代の産駒にパーソナルラッシュ(04年ダービーグランプリ-交流GI)がいる。ダート向きの中距離タイプだろう。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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