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フジキセキ産駒の理想配合アルモニー

  • 2007年11月20日(火) 23時46分
 クレイジーブルース(牝 美浦・二ノ宮敬宇 父ワイルドラッシュ、母カディザデー)
 半兄に高松宮記念(GI)を含めて重賞を5勝したサニングデール、ラジオたんぱ賞(GIII)2着のクレンデスターン、半姉に中山牝馬S(GIII)2着のグリーンプラネットがいる良血。父ワイルドラッシュはダート向きなので兄姉とは違ったタイプに出そうだ。芝・ダート兼用のマイラー。

 ストーミーペガサス(牡 栗東・森秀行 父Fusaichi Pegasus、母Line of Thunder)
 サンダーガルチ(米3歳牡馬チャンピオン)、バトルライン(プロキオンSなど重賞4勝)の半弟という良血で、父はケンタッキーダービー馬Fusaichi Pegasus。ここ数年、母Line of Thunderからはこれといった大物は出ていないが、それでもコンスタントに勝ち上がっており、全兄サンダーペガサスも6戦2勝でOPクラスの出走経験がある。同じく全姉のラインステッチはダートで5戦1勝。本馬もダート路線で手堅く走りそうだ。

 ダイシンオレンジ(牡 栗東・庄野靖志 父アグネスデジタル、母アシヤマダム)
 新種牡馬アグネスデジタルは、すでに10頭の勝ち馬を送り出しており、そのなかからドリームシグナル(京王杯2歳S-GIII・2着)、エイムアットビップ(07年ファンタジーS-GIII・2着)、ヤマニンキングリー(07年黄菊賞-OP)を送り出している。勝ち上がった10頭中、半数の5頭が母系にNIjinskyを持っている。本馬はこのパターン。半兄にブイロッキー(03年ユニコーンS-GIII・2着、03年ジャパンダートダービー-GI・4着)がいる牝系の質は上々。芝ダート兼用の中距離タイプ。

 ヒシラスター(牡 美浦・中野隆良 父Fusaichi Pegasus、母Hishi Amazon)
 母Hishi Amazonは女傑ヒシアマゾン(94年エリザベス女王杯-GI、93年阪神3歳牝馬S-GIなど重賞9勝)のこと。アメリカで繁殖生活を送っているため、表記がアルファベットとなっている。過去にヒシアマゾン産駒はヒシアンデス(父ヒシマサル)、ヒシシルバーメイド(父Silver Deputy)の2頭がデビューしているが、それぞれ4戦0勝、9戦1勝と目立った成績は挙げていない。本馬の父はMr.Prospector系のFusaichi Pegasus。産駒にスピードが備わっていればおもしろい。

 ランスロットル(牡 栗東・南井克巳 父ファルブラヴ、母ゴールデンカラーズ)
 母ゴールデンカラーズはクイーンS(GIII)の2着馬で、父Mr.Prospector、母Winning Colors(牝馬ながらケンタッキーダービー優勝)という超良血。これだけの血統背景だけに繁殖成績も優秀で、チアフルスマイル(06年キーンランドC-GIII)、ダブルネーム(4勝)、エレスサール(3勝)、マザーズウィッシュ(2勝)などコンスタントに良駒を送り出している。本馬の父はファルブラヴ。今年の新種牡馬ですでに11勝を挙げ、連対率は35.3%と好成績を挙げているだけに、産駒にも大きな期待をかけられる。1200〜1600m向きの芝馬。

 ロマンシエール(牝 美浦・伊藤圭三 父アグネスデジタル、母オグリローマン)
 母オグリローマンは名馬オグリキャップの半妹で、地方競馬の笠松からデビューし、中央の桜花賞(GI)を勝った。繁殖牝馬としてはオグリロマンス(99年中日スポーツ賞4歳S-GIII・5着)を産んでいる。父アグネスデジタルは今年の新種牡馬で、すでに10頭が12勝を挙げる活躍ぶり。現役時代は芝・ダート兼用タイプだったが、産駒は現在のところ芝向きという傾向が出ている。本馬に関しては芝・ダート双方で行けそうだ。マイル前後が合っている。

 アルモニー(牝 栗東・松永幹夫 父フジキセキ、母タカオサクセス)
 3代母スイートコンコルドは七冠馬シンボリルドルフの全姉で、それにトウショウボーイ、ラストタイクーン、フジキセキと、しなやかな芝向きの種牡馬を代々交配してきた。母は2歳時にサフラン賞(500万下)を勝ち、阪神3歳牝馬S(GI)に駒を進めた活躍馬。すでにタカオルビー(04年アイビスSD-GIII・2着)を出しており繁殖成績も上々だ。母系にPrincely Giftを持つフジキセキ産駒は走っており、ハイレベルな配合を持つ本馬には大きな期待がかけられる。

 カポデテュティカピ(牡 美浦・国枝栄 父Tiznow、母Babae)
 母Babaeはチリ産。同国でG3を勝ったほかG1でも上位争いを繰り返す上級競走馬だった。アメリカに移籍後、ジャストアゲームBCH(G3)、アセニアH(G3)、ヴァイオレットH(G3)などマイル前後のダート戦で勝ち星を重ねた。これに米年度代表馬Tiznowを交配して誕生したのが本馬。南米の血が入っているので意外性がありそう。ダート向きの中距離馬。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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