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ゼンノロブロイの従弟シルクビッグタイム

  • 2007年11月27日(火) 23時46分
 サッカープリンス(牡 美浦・清水利章 父サッカーボーイ、母マキバサイレント)
 母マキバサイレントは南関東で重賞を勝ちまくった名牝で、交流重賞のクイーン賞(交流GIII)では中央からの遠征馬を一蹴している。その半弟にマキバスナイパー(01年帝王賞-交流GI、02年日本テレビ盃-交流GII、00、02年浦和記念-交流GII)がいるように血統背景もしっかりしている。本馬の半兄マキバスマイル(父サクラローレル)はダート1000万クラスの上位勢力。本馬の父は芝向きのサッカーボーイだが、やはりダート向きに出そう。

 シルクビッグタイム(牡 美浦・久保田貴士 父Deputy Minister、母Hello Rachel)
 母Hello RachelはグローリアスソングS(加G3)の勝ち馬。その全姉にはバレリーナH(米G1)など3つのグレードレースを制したローミンレイチェルがおり、同馬は繁殖牝馬としてゼンノロブロイ(年度代表馬)を送り出している。つまり本馬はゼンノロブロイの従弟にあたる良血。芝・ダート兼用の中距離タイプで、ポテンシャルが高そうなので注目したい。

 スマイルオンザラン(牡 美浦・藤沢和雄 父ブライアンズタイム、母スマイルトゥモロー)
 母スマイルトゥモローはオークス(GI)とフラワーC(GIII)の勝ち馬。気難しいところがあり、古馬になると大逃げを打って場内を沸かせることもあった。本馬はその初仔。父がブライアンズタイムなので基本的にはスタミナと底力に恵まれているが、気難しさが伝わった場合、案外距離はもたないかもしれない。ダート向きの可能性もある。

 ピサノドヌーヴ(牝 栗東・松永幹夫 父アグネスタキオン、母エルレイナ)
 半兄モノポール(父サンデーサイレンス)は富士S(GIII)2着、札幌記念(GII)4着。同じく半兄のエルカミーノは新潟大賞典(GIII)3着。あと一歩のところで重賞に手が届かない。本馬の父はサンデー産駒のアグネスタキオンなので、モノポールとは4分の3同血の関係にある。配合構成は悪くないので、馬が悪くなければ兄たちが為しえなかった重賞制覇も期待できる。

 フィーユ(牝 栗東・森秀行 父ダンスインザダーク、母ファレノプシス)
 母ファレノプシスは四冠馬ナリタブライアンとほとんど血統構成が同じという良血馬で、桜花賞(GI)、秋華賞(GI)、エリザベス女王杯(GI)を勝った。残念ながらこれまでの繁殖成績は芳しくなく、デビューした3頭は戦績的にイマイチ。ただ、あれだけの競走能力を発揮した名牝なので、大物を出す可能性は秘めている。本馬の父はダンスインザダーク。スタミナを活かすレースで持ち味を発揮しそう。

 フルブルーム(牝 美浦・伊藤圭三 父ダンスインザダーク、母ホワイトカーニバル)
 母ホワイトカーニバルはフェアリーS(GIII)を勝ったほか、重賞で上位入線を繰り返した。母の父ミシルはMiswaki産駒。母系にMiswakiを持つダンスインザダーク産駒といえばザッツザプレンティ(03年菊花賞-GI)が有名。本馬は配合的に一本調子なところがありそうだが、1600〜2000mを得意とする芝馬として期待できそう。

 カノコマチ(牝 美浦・小笠倫弘 父グラスワンダー、母ゲートドクール)
 半姉リトルオードリー(父グルームダンサー)は4歳牝馬特別・西(GII)を勝ち、オークス(GI)でも3着となった活躍馬。リトルオードリーの全姉ココパシオンの子にはココナッツパンチ(07年弥生賞-GII・2着、07年目黒記念-GII・2着)がいる。本馬の全姉イヴニングワンダーは未勝利だったが、活力のある牝系だけにタイプの異なる活躍馬を送り出す可能性は十分ある。芝の中距離タイプだろう。

 ゴールデンドーター(牝 美浦・大江原哲 父フジキセキ、母マウントグローリ)
 半兄タキノスペシャル(父スマコバクリーク)は北海道3歳優駿(交流GIII)を勝ち、兵庫チャンピオンシップ(交流GIII)2着、ジャパンダートダービー(交流GI)3着という成績を残した。本馬の父フジキセキは芝・ダートの別なく活躍馬を送り出しており、母系の血脈から本馬はダート向きに出ると思われる。カネヒキリのような大物ではないが、コンスタントに走るタイプだろう。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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