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堅実に稼ぐウィザードブラスト

  • 2007年12月18日(火) 23時46分
 トウカイメリッサ(牡 栗東・田所秀孝 父ファルブラヴ、母トウカイピュア)
 母トウカイピュアは未勝利馬だが、2代母がオークス(GI)と京都大賞典(GII)を勝ったトウカイローマン。父ファルブラヴは初年度産駒がすでに14勝を挙げ大成功している。「ファルブラヴ×サンデーサイレンス」という組み合わせからはラルケット(サフラン賞)が出ており悪くない。底力と素軽さを併せ持ったタイプで、芝の中距離がベストだろう。

 ヒシアリアケ(牝 美浦・手塚貴久 父シンボリクリスエス、母クロカミ)
 母クロカミは現役時代、主に芝1600〜1800mで活躍し、府中牝馬S(GIII)、京王杯オータムH(GIII)を勝った。中央でデビューした3頭の産駒のうち2頭が勝ち上がっているが、まだこれといった大物は現れていない。この兄弟はダート向きの傾向が見られ、芝ではやや決め手に欠けるところがある。本馬の父シンボリクリスエスは芝・ダート兼用型なので、ダートを得意とするかもしれない。距離は1600〜1800mぐらいがよさそう。

 フェルガーナ(牝 栗東・藤岡健一 父アグネスタキオン、母プリンセスメイ)
 母プリンセスメイは未勝利馬だが、その半姉のジュウニヒトエ(準OP)、カシワズビーナス(92年阪神3歳牝馬S-GI・3着)はまずまずの活躍馬。2代母スズタカプリンセスは金鯱賞(GIII)で3着となったことがある。「アグネスタキオン×トニービン」の組み合わせからはキャプテントゥーレ(07年デイリー杯2歳S-GII)、ショウナンタキオン(05年新潟2歳S-GIII)が出ている。1600〜2000mあたりを得意とする芝馬だろう。

 フサイチフェイマス(牡 栗東・池江泰郎 父ダンスインザダーク、母シルクプリマドンナ)
 母シルクプリマドンナは現役時代にオークス(GI)を勝ち、桜花賞(GI)でも3着と健闘した。初子のアルブレヒト(父ダンスインザダーク)は競走に出ることなく引退してしまったので、全弟の本馬が競馬場でデビューする初めての産駒となりそうだ。「ダンスインザダーク×ブライアンズタイム」の組み合わせからはまだこれといった活躍馬は出ていない。重厚すぎる配合が素軽さを損なっている面がみられる。この部分さえクリアできればおもしろい。

 ウィザードブラスト(牡 美浦・上原博之 父クロフネ、母アナザーマジック)
 母アナザーマジックは未勝利馬だが、その全姉にマジックキス(96年北九州記念-GIII)、半姉にオースミシャイン(94年中山牝馬S-GIII・2着)がいる良血。「クロフネ×サンデーサイレンス」という組み合わせからはフサイチリシャール(05年朝日杯フューチュリティS-GI、06年阪神C-GII、05年東京スポーツ杯2歳S-GIII)が出ている。基本的にはダート向きだが、芝もこなせるだろう。堅実に活躍しそうだ。

 カルチャートップ(牝 美浦・戸田博文 父マヤノトップガン、母ジャパン)
 2代母Culture Vultureは全欧2歳牝馬チャンピオンに輝いた名牝で、仏1000ギニー(仏G1)、マルセルブサック賞(仏G1)、フィリーズマイル(英G1)など5つのグループレースを制した。「マヤノトップガン×Caerleon」という組み合わせはチャクラ(03年ステイヤーズS-GII、04年目黒記念-GII)と同じ。父に含まれるRed Godと母に含まれるNijinskyはニックスの関係にあるのでおもしろい。芝向きの中距離タイプだろう。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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