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両トライアルは北海道組重視

  • 2001年09月11日(火) 00時00分
 先週から中央場所が始まったが、開幕週は北海道帰りの活躍が目立った。
 京成杯AHを制したゼンノエルシドは札幌帰り。セントウルSを制したテネシーガールは函館帰り。朝日CCは新潟帰りのイブキガバメントが勝ったが、ここには北海道組が出ていなかったのだから仕方ない。
 もちろん条件もなにも違うレースをもってきて「北海道組買うべし」というような結論を導くのは無茶なことだが、さりとて無視する必要もない。それに、今週の両トライアルレースにおいては「北海道組」を買いたくなる別な理由がもうひとつあるのだ。
 先週まで、函館・札幌で行われた芝1700m以上・3歳上のレースを抜粋すると、これが全部で53レースある。その年齢別成績を見ると、3歳馬は連対率17.1%で5歳馬の17.8%に肉薄し、4歳馬15.9%より上にいるのだ。
 さらに複勝回収率を見ると92%で4歳の69%・5歳の45%よりかなり高い。それだけ強い相手と戦い、事前の評価を覆して好走してきたことが分かる。
 ちなみに昨年の函館・札幌について同様のデータを取ってみると、3歳の連対率は15.3%で、4歳15.4%には肉薄していたが、5歳19.7%には大きく水をあけられていた。
 また、今年についても6月以降の全場ベースだと3歳16.4%・4歳も16.4%・5歳18.4%で特に3歳馬の地位は後退する。強い3歳馬と言われるが、その傾向がはっきり見えているのは今のところ北海道組だけと言ってもいいのである。
 しかもセントライト記念にはトレジャー・マンハッタンカフェ、ローズSにはクイーンSの2、3着馬という良質な「北海道組」が登録を済ませている。予想をするうえでこれらのメンバーは無視できないところだ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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