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【マイルCS】ダノンプレミアムは危険な人気馬!? 過去32年で28頭の勝ち馬(88%)が持っていた加速ラップ実績/岡村信将

  • 2019年11月15日(金) 18時00分

1番人気が予想されるダノンプレミアム(c)netkeiba.com、撮影:高橋正和


 向こう正面2コーナーのポケットからスタートする京都芝・外回りの1600mコースは、そのまま700m余りの直線を走るタフなコース。このコースで行われるG1はなかなかペースが緩みません。向こう正面の半ばから11秒6前後のラップを刻み続け、そのまま直線でも11秒6を刻み続けた馬がゴール前で先頭付近にいると考えて良いレースでしょう。

 しかし、ただ単に11秒6を刻み続けただけでは勝ち負けにならないのが、マイルCSがG1である所以(ゆえん)。そこからさらにゴール前でひと伸びできる馬、それを可視化する方法が、ラップタイムには存在するのです。

■マイルCS勝ち馬の、ラスト1ハロン加速ラップ実績
1987年1人気1着ニッポーテイオー ○
1988年1人気1着サッカーボーイ  ○
1989年1人気1着オグリキャップ  ○
1990年10人気1着パッシングショット○
1991年4人気1着ダイタクヘリオス ○
1992年2人気1着ダイタクヘリオス ○
1993年1人気1着シンコウラブリイ ○
1994年1人気1着ノースフライト  ○
1995年4人気1着トロットサンダー ○
1996年1人気1着ジェニュイン   ○
1997年2人気1着タイキシャトル  ○
1998年1人気1着タイキシャトル  ○
1999年1人気1着エアジハード   ○
2000年13人気1着アグネスデジタル ○
2001年4人気1着ゼンノエルシド  ○
2002年11人気1着トウカイポイント ○
2003年5人気1着デュランダル   ○
2004年1人気1着デュランダル   ○
2005年3人気1着ハットトリック  ×
2006年1人気1着ダイワメジャー  ○
2007年1人気1着ダイワメジャー  ○
2008年4人気1着ブルーメンブラット○
2009年1人気1着カンパニー    ×
2010年13人気1着エーシンフォワード×
2011年5人気1着エイシンアポロン ○
2012年4人気1着サダムパテック  ○
2013年2人気1着トーセンラー   ○
2014年8人気1着ダノンシャーク  ○
2015年4人気1着モーリス     ○
2016年3人気1着ミッキーアイル  ×
2017年4人気1着ペルシアンナイト ○
2018年5人気1着ステルヴィオ   ○

 上記一覧のとおり、過去32年のマイルCS勝ち馬延べ32頭のうち28頭(88%)は、該当年マイルCS以前に“ラスト1ハロン加速ラップ”での勝ち鞍、もしくは重賞で4着以内の好走実績を持っていました。速い遅いは関係なく、

11.9-11.6-11.5
12.5-12.7-12.6

 などのように、最後の1ハロンで加速するレースラップです。

 “ラスト1ハロン加速ラップ”というのはかなり珍しいもので、全体の0.5%程度しか存在しません。そういった中で

1990年10人気1着パッシングショット○
2000年13人気1着アグネスデジタル ○
2002年11人気1着トウカイポイント ○
2014年8人気1着ダノンシャーク  ○

 といった人気薄での勝ち馬までもがこの条件をクリアし、マイルCSを制しているという点特筆すべきものだと思います。

 それを踏まえて、今年のマイルCSに登録している馬の“ラスト1ハロン加速ラップ実績”を掲載しておきます。勝ち鞍、もしくは重賞5着以内の実績を持っている馬が“○”。天皇賞(秋)2着で人気が確実視されるダノンプレミアムが“×”となっているのが注目点。3走前のマイラーズCではラスト1ハロン11秒1の脚を見せていますが、それでもラスト3ハロンラップは「10.9-10.3-11.1」。最後に加速してはいないのです。

■2019年マイルCS出走予定馬の、ラスト1ハロン加速ラップ実績
アルアイン     ○
インディチャンプ  ○
エメラルファイト  ×
カテドラル     ×
クリノガウディー  ×
グァンチャーレ   ×
ダイアトニック   ×
タイムトリップ   ×
ダノンキングリー  ○
ダノンプレミアム  ×
フィアーノロマーノ ×
プリモシーン    ×
ペルシアンナイト  ○
マイスタイル    ×
モズアスコット   ○
レイエンダ     ○
レッドオルガ    ×



■プロフィール
岡村信将(おかむらのぶゆき)
 山口県出身、フリーランス競馬ライター。関東サンケイスポーツに1997年から週末予想を連載中。自身も1994年以降ほぼすべての重賞予想をネット上に掲載している。1995年、サンデーサイレンス産駒の活躍を受け、スローペースからの瞬発力という概念を提唱。そこからラップタイムの解析を開始し、 『ラップギア』 と 『瞬発指数』 を構築し、発表。2008年、単行本 『タイム理論の新革命・ラップギア』 の発刊に至る。能力と適性の数値化、できるだけ分かりやすい形での表現を現在も模索している。

 1995年以降、ラップタイムの増減に着目。1998年、それを基準とした指数を作成し(瞬発指数)、さらにラップタイムから適性を判断(ラップギア)、過去概念を一蹴する形式の競馬理論に発展した。 『ラップギア』 は全体時計を一切無視し、誰にも注目されなかった上がり3ハロンの“ラップの増減”のみに注目。▼7や△2などの簡単な記号を用い、すべての馬とコースを「瞬発型」「平坦型」「消耗型」の3タイプに分類することから始まる。瞬発型のコースでは瞬発型の馬が有利であり、平坦型のコースでは平坦型に有利な流れとなりやすい。シンプルかつ有用な馬券術である。

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高回収率をたたき出す馬券のプロたちは、どのような視点で重賞レースにアプローチをしているのか。ときに冷静に、ときに大胆に直球勝負で攻める予想家たちの熱き見解は必見。 関連サイト:ウマい馬券

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