紫苑Sを制したマスターソアラ 「シスキン×ダイワメジャー」は驚異的な戦績
血統で振り返る紫苑S
【Pick Up】マスターソアラ:1着
シスキン産駒は2週連続の重賞勝ち。先週のジーティーマイカと同じく母の父がダイワメジャーです。
「シスキン×ダイワメジャー」はこれまでに5頭出走して4頭が勝ち上がり、マスターソアラ、ジーティーマイカのほかに、ロックターミガンが大井競馬場に遠征して京浜盃(JpnII・ダ1700m)を勝っています。5頭中3頭が重賞勝ち馬、という確率は驚異的です。
シスキンの今年の種付け料は400万円ですが、来年は大幅に上昇することになるでしょう。ダイワメジャー牝馬がシスキンに集結するのも間違いなさそうです。
シスキンは2歳時に、風雨のなか行われた重馬場のフィーニクスS(愛G1・芝6ハロン)を勝っており、ヨーロッパ馬らしい馬力も備えています。芝の産駒成績を見ると、良馬場の連対率は25.9%で、それ以外の馬場コンディションは31.9%ですから、力の要る馬場を苦にしない傾向が出ています。
マスターソアラとジーティーマイカは、「シスキン×ダイワメジャー」だけでなく、母方の奥にサドラーズウェルズを持つ点も共通しています。
母方にサドラーズウェルズを持つダイワメジャー産駒は、アスコリピチェーノ、アドマイヤマーズ、レシステンシア、メジャーエンブレムなど大物が出ています。マスターソアラとジーティーマイカの母はこれらと同じパターン。大レース向きの底力を産駒にうまく伝えているように思います。
シスキンは総合種牡馬ランキングで現在28位。稼働頭数が少なめであるにもかかわらずこの好成績ですから、繁殖牝馬の質がどんどん上昇し、頭数的にも目いっぱいの状況(2026年は種付け頭数224頭で社台SSのなかでトップ)がしばらく続くことを考えると、数年後にはリーディングサイアーを争うポジションに出世している可能性もあるでしょう。
血統で振り返る札幌2歳S
【Pick Up】ショウナンガレオン:1着
父フライトラインはアメリカで通算6戦全勝。4歳9月のパシフィッククラシックを19・1/4馬身差で圧勝するなど、近年のアメリカでは最高といえるパフォーマンスを披露し、ワールドベストレースホースランキングで歴代最高タイのレーティング140を獲得しました。
現2歳の初年度産駒は、わが国で4頭デビューし、ショウナンガレオンとデミアンが芝で勝ち星を挙げ、サトノフルークとイニシャルポイントが2着となっています。6回走って3勝、2着3回と連対を外していません。
フライトラインの馬体は、アメリカのダートホースにありがちなビッグサイズかつ筋骨隆々、というタイプではありません。日本馬のようなしなやかさとバネがあり、正面から見ると意外に薄めです。血統は違うもののサンデーサイレンスを彷彿させます。
だからこそ産駒に芝適性があるのではないかと思います。北米における現時点の出世頭であるゴーフォーランチは芝で2戦2勝です。
母タングリトナはアルゼンチンで誕生し、同国で芝とダートの2歳G1を制覇しました。母の父フルマストはフランスの2歳G1ジャンリュックラガルデール賞の勝ち馬です。
育成時代の末期に破格の時計をマークし、一部でその大物ぶりが噂になっていたのですが、実戦でもこれといった悪癖を出すことなく能力を発揮しています。現時点で注文をつけるところはありません。対戦相手の能力に関してはこの馬の責任ではないので、とりあえず楽に勝つことができたという事実が重要です。強敵と当たるこの先のレースでハイレベルな能力を証明していくのではないでしょうか。
知っておきたい! 血統表でよく見る名馬
【ベーリング】
イギリスで生まれ、フランスのクリスティアーヌ・ヘッド厩舎に入厩。四白流星の派手な外貌で、1986年の仏ダービー(2400m)を2分24秒1という大レコードで優勝しました。その年の凱旋門賞は、出走馬15頭中11頭がG1勝ち馬という史上最高クラスのメンバー構成で、ベーリングは2番人気に推されたものの、1番人気のダンシングブレーヴの末脚に屈して2着と敗れました。
2代父は20世紀の欧州最強馬という評価もあるシーバード。父系をさかのぼるとネイティヴダンサーに到達します。母の父リファールはダンシングブレーヴの父でもあります。
種牡馬としては77頭のステークスウィナーを出して成功。英2000ギニー馬ペニカンプ、仏2000ギニー馬アメリカンポストなど、G1を勝った6頭はすべてマイラーで、タイトルのほとんどは2歳から3歳春に行われたレースでした。日本ではケープリズバーンが大井のTCK女王盃を勝っています。
母の父としては本邦輸入種牡馬ハービンジャー、名ステイヤーのストラディバリウスなどを出しています。
後継種牡馬のアメリカンポストは年度代表馬リスグラシューの母の父です。ちなみにリスグラシューの娘リスグロワール(父サートゥルナーリア)は先週新馬勝ちを果たしました。
血統に関する疑問にズバリ回答!
「イギリス競馬の障害種牡馬ランキングは?」
イギリス競馬の障害競走(ナショナルハント)のメインシーズンは10月から翌年4月までです。したがって、南半球の血統統計のように年をまたいで集計されます。
2025-2026年シーズンの首位種牡馬はウォークインザパーク(Walk in The Park)。3年連続で英愛障害リーディングサイアーとなりました。父はサドラーズウェルズ系のモンジュー、母の父はロベルト系のロベリーノです。現役時代に英ダービーでモティヴェイターの2着となりました。
平地ではスピード不足だけれどスタミナとタフさがある、といったタイプが障害用種牡馬に供されるのですが、サドラーズウェルズ系はこの分野でも才能を示し、他にキングズシアター(首位5回)、イェーツ(2回)、オールドヴィック(1回)、ミラン(1回)がリーディングサイアーとなっています。