▲古川騎手の連載の最終回、競馬復帰を果たした今の正直な思いとは―― (提供:古川奈穂騎手)
藤田菜七子騎手以来のJRA女性騎手として、今年3月にデビューした古川奈穂騎手(栗東・矢作厩舎)。初勝利から4週連続勝利を挙げるなど、順調な騎手人生を歩み始めていた矢先、左肩の治療のために長期休養へ。5月の手術から5カ月、10月9日についにレース復帰を果たしました。
それから3週間、未だ納得できるような結果が出せずにいます。「騎手であること」「競馬に乗ること」について、改めて考える日々。当連載の最終回である今回は、古川騎手が今の正直な思いを明かします。
プロとしてしっかりと結果を出さなければ
こんにちは。古川奈穂です。
栗東は先週あたりから急激に気温が下がり、早くも冬用のジャンパーやネックウォーマーの出番がやってきました。
暑いなかでの調教は馬にとっても人にとっても大変ですが、私は寒いなかでの調教のほうが辛いです…。寒いと手足がかじかんでしまい、上手く動かせなくなってしまうので、鐙を短くするのも一苦労。また、乾燥で鼻が詰まったり鼻水が垂れてきたりするのも困ります(笑)。
1頭乗るとだいぶ身体も温まるので、陽が出て気温が上がってくると逆に暑くなって汗をかいてしまい、調教が終わるとまた寒くなる……ということも多々あります。季節の変わり目、みなさんも体調管理にはくれぐれもお気をつけください。
▲「季節の変わり目、みなさんも体調管理にはお気をつけください」 (提供:古川奈穂騎手)
11月5日、6日にアメリカのデルマー競馬場で行われるブリーダーズカップについて。出走予定のラヴズオンリーユー号とマルシュロレーヌ号は、現地で調整が進んでいます。今回は輸送の関係上、美浦トレーニング・センターで調教をしてから出国しました。
そのため、栗東から美浦へ出発するのを見送って以降、直接馬を見る機会はありませんでしたが、美浦での様子や出国時、アメリカ到着時、アメリカでの調教の様子など、画像や動画で共有していただいているので、2頭とも変わらず元気そうで安心しました。日本馬初のブリーダーズカップ制覇を目指して頑張ってほしいと思います!
▲「日本馬初のブリーダーズカップ制覇を目指して!」 (提供:古川奈穂騎手)
5月11日に肩の手術に踏み切ってから5カ月。長いリハビリ生活を経て、10月9日の阪神競馬でレースに復帰させていただきました。ですが、思うような結果を出せず、たくさんの方にご迷惑をおかけしてしまいました…。
レース後には、多くの先輩方にご指導・アドバイス等をいただき、普段の調教の合間などには、兄弟子の坂井騎手にフォームチェックや課題について指導していただいています。休養するにあたり、たくさんの方にご心配とご迷惑をおかけしたので、復帰後はしっかりと結果を出したいと思っていましたが、まだそれができていません。
レースで騎乗するからには、プロとしてしっかりと結果を出さなければならないですし、今後、より一層の努力を重ね、多くの方から信頼されるようにならなければならないと思っています。
リハビリ中からスタートしたこのコラムも今回が最後ということで、いい報告で終わることができればよかったのですが、このような形になってしまい残念です。
レースに勝ったときの喜びもそうですが、レースに勝つことでたくさんの人に喜んでいただきたいという気持ちが強いので、そのためにはもっともっと努力をして信頼される騎手になれるように頑張ります。
休養期間中からこのような場を提供してくださったnetkeibaさんにはとても感謝しております。そして、初めてのコラムで拙い部分も多かったと思いますが、読んでくださったみなさま、本当にありがとうございました。
これからも日々進化していけるよう頑張りますので、今後ともよろしくお願いいたします。
(了)