
▲マイルCS・3勝を誇る音無元調教師がかつての相棒たちを語る!(撮影:高橋正和)
今週末のマイルCSには春の安田記念を勝ったジャンタルマンタルが出走予定。これまで同一年の春秋マイルGI制覇を果たしたのは8頭のみで、同馬が達成するか、注目が集まります。
かつて2019年に春秋マイルGI制覇を果たしたのはインディチャンプ。管理した音無秀孝元調教師はマイルCSを09年カンパニー、16年ミッキーアイルでも制しており計3勝を挙げる強さを見せました。
マイルで活躍した馬たちの強みは何だったのでしょうか。また、マイラーもステイヤーもみな坂路調教をしていた理由とは──。
(取材・文=大恵陽子)
夏の過ごし方を変え、8歳でGI連勝のカンパニー
──音無厩舎はマイルCSで3勝を挙げています。どんな思い出がありますか?
音無 カンパニーが記憶に残っています。これが引退レースで、「引退式はしません。レースを見に来てください」とレース前にファンに向けて言ったんです。それでみなさんが来てくれたかどうかは分からないですけど、滅多にそんなことは言いませんでした。勝って引退して、カンパニーはすごくカッコよかったです。
──あの秋は毎日王冠、天皇賞(秋)とウオッカ相手に勝ち、さらにマイルCSと3連勝でしたね。
音無 多くて年間7走しかしていなかったので長持ちしたんですけど、この年は秋に2回使った後に中2週でマイルCS。それでも横山典弘騎手は自信があったみたいです。

▲「横山典弘騎手も自信があったみたい」(撮影:下野雄規)
──それは心強い。
音無 カンパニーのいいところは瞬発力。それを引き出すのが一番上手かったのは