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ファンや読者の競馬力向上が使命! 知的に競馬と格闘しつづける、日本屈指の理論派予想家 <第29回>棟広良隆(後編)

  • 2019年01月15日(火) 18時00分
棟広良隆

「激走レンジ」を駆使して秋GIレースを立て続けに的中させた棟広良隆氏。その予想理論とは?


馬場レベルを基本とする「激走レンジ」を駆使して、数々の高配当馬券を的中させ続けてきた棟広良隆氏。近年は、レギュラー出演しているグリーンチャンネルの『KEIBAコンシェルジュ』での活躍ぶりが広く知られるところだが、展開する持論の激走レンジ<range>の新刊を只今執筆中だとか。近年の馬場傾向や時計の出方の大きな変化、含水率発表など新たに取り入れられた試みに対応した、これまでの著書よりもさらに精度の高い内容になるようである。―――(取材・文=日夏ユタカ)

もうひとつの理論の柱


 棟広氏の競馬理論には、大きなふたつの柱がある。馬場読みを中心にした予想理論「激走レンジ」と、その予想をより効率よく買い目に反映させるための「論理的な馬券の買い方」だ。2005年にシリーズ第1作が上梓された前者も革新的な馬券術ではあったが、2009年に世に送り出された後者に関する『京大式 鉄板の買い方講座』も大いに話題となった。

 何しろ当時はまだ、多くの競馬本が予想力にだけ重点を置いていた時代。予想を無駄なく馬券に落とし込むためのテクニックが凝縮された本書は、新しいタイプの競馬本だったのだ。以来、その続編となる『同じ予想でプラスになる人、ならない人』が執筆され、その後も『収支を劇的に上げる京大式馬券格言』から、本人が最も自信を持つ内容という『予想以上に大事な"馬券の買い方"の教科書』が完成。そして今や棟広氏は、「馬券の買い方」研究の第一人者としても知られている。

 ある意味、予想以上に買い目の構築が大切だと語る棟広氏。当然のように『ウマい馬券』にも、そのためのテクニックを自然に学べるような仕掛けが施されている。

「まず、自分の予想の強弱を落とし込み、キッチリと反映させられるように、重ねて馬券を買うようにしています。そしてその場合、実際にマークシートで買うことを連想させるような見せ方になっています。」

 このちょっとした工夫で、馬券力は一気に向上する。手広く買うマークシートを1枚用意することで取り逃しを防ぐ一方、本線的中時に圧倒的な回収率が得られるようになるのだ。
棟広良隆

本命馬が3着でも馬券を買う技術を磨けば大きな配当を手にすることができる。棟広氏の予想には“印”だけでなく“買い方”にも注目してもらいたい。


 実際、前編でも紹介した、棟広氏の今年最初の重賞的中となった中山金杯では、4枚の3連複のうち3枚が当たることで、回収率を1600%超まで伸ばしている。しかも自信度が高い組み合わせほど、購入金額も増えている点にも注目したい。本命馬が3着でも、対抗馬が3番人気の人気サイドでも、馬券を買う技術を磨けば、これだけの爆発力が生まれるのだ。

 また、棟広氏は、レースや予想に最適化した券種選びにも細心の注意を払っている。

「抜けた馬が1頭いるならば、3連単で頭固定のフォーメーション馬券を選びます。ただ、単勝1倍台まで票が集中するならば、配当的にあまり変わらないので3連複にすることもあります。もちろん、混戦の場合は3連複ですね」

 ちなみに、無駄な買い目がいくつも混じってしまう3連単のボックスは、棟広氏的には絶対にNGだとか。また、3連単に限ったことではなく、ボックス・マルチ馬券は基本使用しないという。自分の予想力に自信があれば、それも当然だろう。3連単マルチを提示することもないことはないが、それでも着順にこだわらないならば3連複のほうが、正解の場合が多いようだ。「工夫されたフォーメーション馬券の組み立て方にぜひとも注目してほしい」とも、棟広氏は言及する。

 そして、3連単フォーメーションの破壊力がとくに発揮されるのが地方競馬だという。3000〜4000円という少し控えめな購入資金で、重ね買いでのダブル的中を狙い、10万オーバーを獲りにいく買い方だ。

大穴ハンターは難易度の高いレースを目指す


 今、棟広氏が重視している地方競馬のレースがある。高知競馬の名物レース「一発逆転ファイナルレース」だ。記者による選抜によって、近走不振な馬ばかりが集められた、難解な最終レースである。時には1番人気になる馬を当てることすら難しい波乱度の高さ。しかし、棟広氏はこのレースの攻略になかなかの自信があるようだった。
棟広良隆

高知競馬で行われているスリリングなレースとして知られる名物レース「一発逆転ファイナルレース」


 それもそのはず、驚くべきことに、2005年の『激走レンジ!』のなかで、すでに前走大敗馬ばかりのレースの予想法にいち早く触れているからだ。そこで紹介されているレースは高知ではなく園田のものだったが、前走で3.5秒差と3.1秒差に負けていた馬の決着を読み切り、9頭立てながら万馬券を取った話が語られている。いわく、「穴党は、勝ち馬が存在しないと思われるほどレベルの低いレースは手を出すべき」。横の比較をしっかりするのがコツのようである。

 そして、このファイナルレースに関しても1月6日のレースで新年早々、好結果を出したのである。まさに有言実行のこの結果には、我々も驚かされた!ファイナルレースはこちら
棟広良隆

興味のある方はぜひ、「一発逆転ファイナルレース」の『ウマい馬券』を購入してみて欲しい。発走時間が20時50分となることが多く、その日の負けを一気に取り戻すチャンス大のまさに「一発逆転」レースなのだ!


 一方、もうひとつの棟広氏的オススメは、海外競馬だ。

「海外競馬に関しては、予想の見解のところで書いている個別の馬の分析は他の追随を許さないレベルだと思います。また、馬場の話も、気にする方は絶対に読みたい内容になっています」

 そして棟広氏は、24頭立ての多頭数に加え、重馬場となった昨年のメルボルンCを振り返って目を輝かせていた。

「文字数を競い合う場ではないですが、2018年は数千字、書きました。濃い中身が本当に詰まっていたと思います。何しろ、予想していてめっちゃ楽しかった。1年を通して、一番楽しいレースでした(笑)」

 敢えて難易度の高いレースに挑むのを好むのは恐らく、穴党だからというだけではないのだろう。メルボルンCの予想を興奮気味に語る棟広氏は、まるで学生のように、純粋な知恵比べとして競馬を楽しんでいるようにも感じられた。棟広氏のメルボルンCの予想はこちら

 そう。8年前の著書『激走レンジ!2』では、「競馬ファンの予想力が高まり、オッズが厳しくなっている」状況に危機感を少し抱いているような発言もあったが、実際には、それを単純に楽しんでいるのかもしれない。レベルが上がったファンとの高度で知的な闘いを。まるで教え子たちの成長を見守るように。

 そしてそれに対抗するために、新しい知識を蓄積し、更新し、自らの誇る予想理論を微調整しているのだろう。まもなく発売されるだろう新刊を前に、そんな棟広氏の最新の知的挑戦の一端を、『ウマい馬券』で覗き見してみるのも面白そうだ。
棟広良隆

常に新しいことにチャレンジをしている棟広良隆氏。彼の知的挑戦はまだまだ続く。


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