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【的場文男騎手(3)】自分らしい終着点を見据えて―「7200回近く、みんなの喜ぶ顔が見られたことが幸せ」

  • 2018年12月28日(金) 18時01分
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▲的場文男騎手が口にした理想の“終着点”とは?(撮影:高橋正和)


“大井の帝王”こと的場文男騎手のインタビューもいよいよ最終回。地方競馬最多勝利記録も達成した後にも、周囲からは“生涯ジョッキー”を期待する声が多く聞かれる的場騎手。次の数字的な目標は? の問いに対する答えとは。また、的場騎手本人の口から、約半世紀に渡るジョッキー経験と「ただがむしゃらに、精一杯頑張る」という美学をもとに、自分自身が理想とする“終着点”を語ります。(取材・文:不破由妃子)

“誰かのために”がこれからの原動力


──ご自身の騎手人生を富士山になぞらえて、河口湖間近だなんておっしゃっていましたが、一昨年、昨年と131勝を挙げられて、今年も現時点(※12月21日)で108勝。南関リーディングでも7位につけていらっしゃいますし、記録達成後のインタビューでも「まだまだ頑張ります」とおっしゃっていましたよね。

的場 生まれてきたからには、自分のできることを精一杯やる。そういう生き方こそが美しいと思っています。9月にはシュテルングランツで東京記念を勝って、重賞最年長勝利記録を更新しましたしね。62歳だからこそできることを精一杯やっている結果です。まぁ河口湖のすぐ近くまできていることは間違いないけどね(笑)。

──そのシュテルングランツとのコンビでは、JBCクラシックにも参戦されました(16着)。的場さんにとっては8年ぶりの中央競馬でしたね。

的場 あの日はうれしかったなぁ。5レースの新馬戦にも乗ったんですけど(アールコンセンサス3着)、直線に向いたとき、スタンドからワーッと歓声が起こってね。自分としては、中央の芝に乗るのはこれが最後かなと思って行ったから、あの声援を聞いたときは涙が出るほどうれしかった。

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▲8年ぶりのJRA参戦「あの声援を聞いたときは涙が出るほどうれしかった」


──中央・地方を問わず、なんとか這い上がってやろうともがいている若手ジョッキーがたくさんいると思いますが、そんな彼らに的場さんからアドバイスを送るとしたら、どんな言葉になりますか?

的場 とにかく一生懸命、がむしゃらに頑張ることだと思いますよ。本気で頑張って、その結果がずーっと平らな騎手人生でもいいじゃないですか。とにかく一生懸命やること。それができる人間が強いんですよ。自分がここまでこられたのも、絶対に誰にも負けたくないと思って一生懸命に頑張ったからです。馬を動かす自信だけはあったから、ひとつでも多く乗って結果を出していけば、いつかは絶対に這い上がれると信じていました。富士山になる! という目標もあったしね。

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▲「とにかく一生懸命やること。それができる人間が強いんですよ」


──いまや帝王と呼ばれる的場さんも、大井の騎手50人中、48番目や47番目から頂上まで登り詰めたんですものね。

的場 そうです、そうです。一般社会にたとえてもね、どん底の生活を経験した人は強いでしょう。逆に贅沢ばかりしていた人は、少しでも落ちると一気にダメになる。どん底を知っている人は、一段階上がることの喜びや楽しさがわかりますからね。だから、若いときは、強い人間になるためにも絶対に苦労したほうがいい。たとえ今が辛くても、苦労することは絶対に悪いことではないから。

──的場さんがおっしゃると、ものすごい説得力を伴って伝わると思います。

的場 僕は雑草ですから。雑草は強いですよ。ポッキリ折れたらそれで終わってしまう花と違って、踏みつぶされてもいつの間にか起き上がってくるからね。

──さて、そんな的場さんの次の目標を教えてください。目標とする数字が近くにあったから頑張れたとおっしゃっていましたが、次にロックオンする数字は?

的場 それはもうないんですよ。ただ、乗る以上は馬券を買ってくれるファンがいるわけだし、僕が勝つことを待ってくれている馬主さんも調教師も厩務員もいる。勝つと本当に喜んでくれてね。僕はその笑顔を見るのが大好き。だから、これからも自分ができることを精一杯やるだけです。

──“誰かのために”という気持ちが、より強くなっているということですね。

的場 そうですね。でも、考えてみたら幸せですよね。7200回近く、みんなの喜ぶ顔が見られたんだから。そんな笑顔をまだ見ていたいから、もう少し頑張りますよ。頑張ってきたからこそ富士山の形が描けたわけで、最後に河口湖に降り立つときにも、がむしゃらな姿のまま、僕らしくそこにたどり着きたいと思っています。

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▲「7200回近く、みんなの喜ぶ顔が見られた。河口湖に降り立つときにも、僕らしくそこにたどり着きたい」


(了)

年末のTCK開催は『ラーメンフェス2018@TCK』!


 TCK(TOKYO CITY KEIBA)では、毎年恒例の年末ラーメンイベントとして、「自称日本一ラーメンを食べた男・大崎 裕史監修 ラーメンフェス2018@TCK〜オリジナル定食作っちゃう?〜」を、12月25日(火)〜27日(木)、12月29日(土)〜31日(月)の期間、競馬場内のUMILE SQUARE(ウマイルスクエア)で開催します。

 今年はラーメン評論の第一人者として活躍する大崎裕史さんの全面監修が決定! 全国から選りすぐりの名店8店が大集合します。さらにサイドメニューのバリエーションもパワーアップ! 餃子や唐揚げなどの定番に加えて、炒飯と点心の名店も初登場します。また、自分好みのラーメンとサイドメニューを組み合わせてオリジナル定食を作ると、豪華賞品が当たる抽選会にもご参加できます!

 平成最後の年末は、TCKでおいしいラーメンと熱いレースを是非お楽しみください。

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▲今年も名店が集結!『ラーメンフェス2018@TCK』


■実施期間
12月25日(火)〜27日(木)、12月29日(土)〜31日(月)

■営業時間
12月25日(火)・26日(水) 14時00分〜21時00分
12月27日(木) 13時30分〜21時00分
12月29日(土)〜 31日(月) 10時00分〜18時00分
※ラストオーダーは営業終了30分前となります。
※12月28日(金)は休業日です。

■場所
大井競馬場(品川区勝島2-1-2)“UMILE SQUARE(ウマイルスクエア)”

■出店店舗
<ラーメン8店舗>
・札幌みその(北海道)
・新旬屋 麺(山形)
・東京スタイルみそらーめん ど・みそ(東京)
・鯛塩そば灯花(東京)
・龍介(茨城)
・寿製麺よしかわ(埼玉)
・濃厚つけ麺・ラーメン 八重桜(東京)
・麺や厨(静岡)

<サイドメニュー4店舗>
・中華 味一(チャーハン)
・元祖唐揚げ専門店 田中屋(唐揚げ)
・神戸南京町 皇蘭(点心)
・金泉軒 包味(餃子)

■入場料
100円(大井競馬場への入場料として)

※25日(火)、26日(水)は入場無料となります。
※雨天時も開催します(TCKの開催に準じます)。

大井競馬に所属するジョッキーの取材を担当。TCK(東京シティ競馬)・大井競馬場の魅力を余すことなくお届けします!

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