16日に
大井競馬場で行われた
ハイセイコー記念(SII・1600m)は、終始好位でレースを進めた
ミサイルマン(牡2、
森下淳平厩舎)が、余裕の手応えから2着に2馬身差をつけ完勝。南関東期待の若手・
笹川翼騎手(大井)のリードで無敗を守った。レースから一夜明け、編集部は
ミサイルマンを管理する
森下淳平調教師を直撃。12年の
東京ダービー制覇のほか、
ハッピースプリント(牡5)で14年の南関東クラシックを席巻した気鋭のトレーナーに、来年のクラシック戦線を盛り上げるであろう若いコンビへの期待を聞いた。
――
ハイセイコー記念、優勝おめでとうございます。レースを見ての率直な感想を教えてください
想像以上のパフォーマンスといえばそうなんですけど、この馬の能力からすれば、これぐらいはやってくれるだろうという気持ちもあって半々ですね。この馬の強みはス
トライドがとても大きく、その特徴をブレなくしっかり使えるので、“走りの効率”が良いこと。レースに対してやる気もありますし、ジョッキーの指示にも従順に反応してくれるので、今回もしっかりコミュニケーションを取ってレースが運べていました。ジョッキー(
笹川翼騎手)も理想的に乗ってくれたので、レース前に描いた通りになりましたね。
――その笹川騎手で勝てたのも大きかったのではないですか?
そうですね。うちの厩舎としても目を掛けているジョッキーですし、これから大井だけでなく南関東競馬を背負っていく騎手のひとりだと思っています。何より彼自身がフランスのレベルの高さを知ったことで(※9月〜10月の1ヶ月間、フランス遠征を経験)より意識が高まったようで、「“脚を溜める技術”をもっと追求しないと」とも言っていました。こういったテーマを持って乗っている姿勢は見て取れますし、それが体現できるジョッキーになってくれれば、より大きな存在になってくれると思います。
――南関東の生え抜き代表として、来年のクラシックを意識させる一頭。このコンビに期待することを教えてください
ミサイルマンについては、2歳時のハッピー(ス
プリント)と比べるのはまだ少し酷ですし、若い期間だけで断言もできませんが、将来的には
JRAの馬たちとも渡り合っていける能力を秘めているとは思います。どこの出身の馬であろうと、調教師としてやることは変わらないんですが、新馬からやれるメリットはそれまでに自分たちがやりたいトレーニングや調教を課せること。それを最大限に生かして、
ミサイルマンみたいな生え抜きの馬と彼(笹川騎手)とでクラシック戦線を戦っていければ、お互いの成長に繋がるだけでなく、南関東を盛り上げる機会にもなりますよね。
全日本2歳優駿にも向かおうと思えば向かえますが、まだ若い馬ですし、あせらずに
京浜盃(3月22日・大井)に向けて調整していく予定です。この間だけでなく、3歳、4歳、5歳になっても成長を期待できる馬だと思っているので、ファンの方にはそれまで待っていていただけるとありがたいですね。
(取材:編集部)