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ラブバレットの担当は女性厩務員の笹野美香さん、菅原勲師も信頼を寄せる

  • 2017年01月27日(金) 14時14分
 根岸S(GIII・ダ1400m)に岩手競馬からラブバレット(牡6・水沢・菅原勲)が参戦する。同馬を昨年から担当しているのが、女性厩務員の笹野美香さんだ。ラブバレットとの付き合いは、約1年になる。

 かつて東京でOLをしていた笹野さんだが、時折足を運んでいた東京競馬場のパドックで馬を見ていたある日「馬に関わる仕事がしたい」と急に思い立った。それがきっかけで道営競馬で厩務員の職についたのが最初だった。馬を触ったことがなかった笹野さんだが、馬に対する恐怖心はさほどなかったという。仕事は、手順だけをひととおり教わった。「見て覚えるという時代でしたから」と、笹野さんは厩務員になった当時を振り返る。思うように仕事ができない悔しさや怪我を乗り越えて、20年以上この仕事を続け、現在は水沢の菅原勲厩舎で勤務する。

「馬それぞれ能力差はありますけど、やはり勝つためにやっていますから。勝ってくれた時には、それまでの苦労も報われたという気持ちになります」と笹野さん。

 雑談を交えながら笹野さんと話をしていると、ラブバレットが左前脚で前掻きをした。時計を確認した笹野さんは「14時に午後運動をしているので、それをわかっていて早く外に出せーと催促するんです」

 洗い場で手際良く運動に出る準備を進める。今ではほとんど見ることがなくなった「モダワラ」(藁で作った手入れ道具)でラブバレットの体をこすった。「この馬は肌が薄くて敏感なので、モダワラの方が良いみたいですね。モダワラとは呼んでいますけど、これは実は麻の糸でできているんです。ツヤも出ます」

 手入れを終えてメンコを装着すると、約20分ほどの厩舎周りの運動に出た。

 菅原勲調教師は「力強いですよ。男性よりもしっかり仕事ができるという感じがしますね。女性ですから細かいところに気がつきますしね」と笹野さんに信頼を寄せる。師が見守る中、ラブバレットと笹野さんは、黙々と歩き続けた。

 内山一郎オーナー、菅原師、山本聡哉騎手、そして厩務員の笹野さん。たくさんの人の思いを乗せて走るラブバレットの健闘を祈りたい。

(取材・写真:佐々木祥恵)

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