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【NHKマイルC】アエロリットが混戦に断 横山典&菊沢師がつかんだ義兄弟V

デイリースポーツ
  • 2017年05月08日(月) 06時05分
「NHKマイルC・G1」(7日、東京)

 混戦ムードを難なく断ち切った。3歳マイル界の頂点に輝いたのは2番人気のアエロリット。管理する菊沢師は、騎手時代を含めて待望のG1初戴冠となった。2着は13番人気のリエノテソーロで、関東牝馬のワンツー決着に。3着には6番人気のボンセルヴィーソが入った。なお、1番人気に支持されたカラクレナイは17着に敗れた。

 史上空前の混戦レースを、芦毛の牝馬が見事に断ち切った。2番人気のアエロリットが直線入り口で果敢に先頭に立ち、後続を全く寄せつけずV。桜花賞5着からの巻き返しを果たすとともに、レース史上初の1勝馬による3歳マイル界制圧に成功した。

 検量室前で「ありがとう!」と絶叫しながら“デットーリジャンプ”で馬上から飛び降りた横山典は笑顔満開だ。「返し馬から出来の良さが伝わってきたので、全能力を発揮できるように自信を持って乗った。いいスタートを切れたし、何も小細工せずに行こうと」。強気なリードに馬も応え、たたき出したのは1分32秒3の好タイム。「速く感じさせないのが、この馬のすごさ」と胸を張った。

 “義兄弟タッグ”による美酒に、トレーナーも感無量だ。騎手時代を含めても待望のG1初勝利となった菊沢師の妻・圭子さんは、横山典の実妹。指揮官は「ノリさんにかなわないと思って調教師になった。ノリさんに乗ってもらえるような馬で大レースを勝ちたかったけど、それがかなって良かった」と目を潤ませる。義弟の仕上げに応えた鞍上は「菊沢が調教師になってからもバックアップしたり、されたりしながらやってきた。いい結果が出せてうれしいよ」と率直に喜びを伝えた。

 愛馬のデビュー当時を振り返り、「ノリさんから“(08年スプリンターズSを制した)スリープレスナイトに似ている”と言われて…」とトレーナーは笑みを浮かべる。素質の高さは折り紙付き。前向き過ぎる気性が課題だったが「主戦が競馬を教えてくれたのは大きい。それがこの結果につながった」と義兄に最敬礼だ。

 今後は休養に入り、秋競馬に備えるもよう。「自分にしか分からない部分がある。この馬はもっと強くなる」と横山典はキッパリ。伸びしろをたっぷり残したニューヒロインは、着々と名牝への道を歩んでいく。

提供:デイリースポーツ

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