「まるで重賞を勝った時のような雰囲気でしたよ」とは羽月調教師。何のことかといえば先週、1年ぶりに戦線に復帰し、土曜札幌7Rの
アグネッタで見事勝利した
三浦皇成のことだ。
「見えるところに奥さんのほしのあきさんがいたのもあったんでしょうけど、かなりの人が集まっていて、歓声もすごかった」と管理トレーナーもビックリの場内の盛り上がりだったという。
それにしても、復帰週にいきなり3勝して、日曜の
エルムSでも8番人気の
ドリームキラリを3着に持ってきたのだから、三浦の活躍は目を見張るものがあった。やはりジョッキーは競馬に乗ってこそ輝く。
一方、馬もレースに出ないことには脚光を浴びることもない。
「いや〜参りました。新聞でもウチのが出られそうなことが書いてあったんですけど結局、補欠とは…」と苦虫をかみ潰したような表情を見せたのは
北九州記念に
オーヴィレールを使う予定だった今野厩舎の藤原助手だ。
当初は
ポメグラネイトが新潟の
NST賞に回るという話があったため、出走順19番目のこの馬が繰り上がると見られていたのだが、最終的に
ポメグラネイトは鞍上・岩崎で
北九州記念に向かうことが決定したことで、出走できなくなってしまった。2走前の鞍馬Sでは人気の
キングハートとクビ差の競馬。“出られれば好勝負”と記者も目をつけていただけに、厩舎スタッフと同じくらいガックリである。
競馬はゲートに入らないことには何のチャンスも生まれない。本命候補の“消滅”に軌道修正を余儀なくされた今年の
北九州記念は「前走(水無月S=1着)より今回の方がデキは良さそうだし、(ミルコ)デムーロが引き続き乗ってくれるのも頼もしい」と新村厩務員が手応えを見せる
ファインニードルに託すしかないか。
(栗東の坂路野郎・高岡功)
東京スポーツ