マイルCSにG1レーシングは2頭を送り込む予定。
スワンS勝ちの
サングレーザーと
皐月賞2着の
ペルシアンナイトだ。
ペルシアンナイトに育成時に騎乗していた追分ファームリリーバレーの平沼敏幸厩舎長は当時をこう振り返る。
「最初から完成度の高い馬でした。腹回りがいつもスッキリしていて、競走馬らしい体つきでしたね。だから、乗り始めてからもすぐに動けました。運動神経がいいんですよね。厩舎でも抜けて走る馬だったんです。
1歳の年末くらいから調教前によく立ち上がるようになったんですが、そのパワーがすごいんです。一度に10回くらい立ち上がるんですが、全然
バランスを崩さないんですよね」
それだけ立ち上がられると乗っている方は大変だったと思うが、
バランスを崩さないということは無我夢中に暴れているというより、ある程度自分をコントロールできているのだろう。そして何より、体幹や基礎体力、体の柔軟性なども早くから兼ね備えていたのではないだろうか。
皐月賞では道中、折り合って進むと、直線では一旦先頭に立ち、「勝ったかと思った」と平沼厩舎長も振り返るが、
アルアインに差され2着。向正面ではスルスルとポジションを上げていったが、この時
M.デムーロ騎手は「それまでマイルを使ってきて初めての2000m。ずっと外を回すとだいぶ長くなっちゃうけど、内に行ったらチャンスがある」と考えていたという。僅差で勝利は逃したものの、コースレコードタイの走りだった。
春のクラシック二冠を経て、前走・
富士Sは久しぶりのマイル戦、そして初の古馬との対戦だった。不良馬場の中5着だったが、叩いた上積みは見込めるだろう。
近親には
ゴールドアリュールや
ゴールスキーなど追分ファームゆかりの馬が名を連ねる。G1レーシング待望の初GI制覇となるか……。
※同馬主の
サングレーザーについては
別途コラムに掲載(取材・文・写真:大恵陽子)