宮本厩舎は毎年1月の成績がいいのですが、今年も例外に漏れず既に4勝をあげています。先週は
ニシノラッシュで京都のメインレース・
石清水Sも制しています。宮本師もこの成績には笑顔、笑顔!
「
ニシノラッシュは脚元に古傷を抱えていますが、最近は小康状態を保って安定しています。担当の長谷川がよくやってくれて、今では時に脚元に不安があることを忘れてしまうのでは? と思わせるほど元気いっぱいですよ」
その長谷川助手のもう1頭の担当馬は、昨年の
菊花賞で2着に健闘した
クリンチャーです。
クリンチャーは1月4日に放牧先の大山ヒルズから栗東トレセンに帰厩し、現在は
京都記念を目標に調整を進めています。
「デビュー戦からずっと2000m以上のレースを使っているように、長いところで本領を発揮してくれるはず。今年こそは昨年勝てなかったGIを勝ちたいです」(宮本師)
極悪馬場だった
菊花賞のあとはじっくりと休養。満を持して、古馬第一線に挑みます。今週の水曜に行われた2週前追い切りではウッドチップコースで一杯に追われ、かなりしっかりと動かされていましたよ。担当の長谷川助手によれば、このひと追いでかなり雰囲気も変わったそうです。
「このあたりで少しピリッとさせておきたかったのですが、こちらの意図どおりキリッとしてきていいかんじです。ただし、もともと競馬を使うとガラリと良くなるタイプでもあります」
まだ1月ですし、大目標のGIまではまだ日があります。使い続けて良くなるタイプなら、目標と見込まれる
天皇賞(春)、そしてそのあとの
宝塚記念でもいわゆる“使い減り”を感じさせないレースが期待できそうです。
「
ピークが長く続くのがいいところですね。“ホップ、
ステップと”二段階目にかなり上昇したとしても、最後に三段階目の“ジャンプ”でしっかり走る余地がある馬なんです」(長谷川助手)
先日、同世代の
ダンビュライトが
AJCCで力強い競馬をしました。
ダンビュライトは三冠すべてのレースに参加し、安定した成績をおさめてきましたので、その成績を物差しとして考えると、
クリンチャーにはかなり大きな期待を寄せてしまいます。
「まだ2勝馬ですが、GI2着馬らしいポテンシャルの高さを感じています。“今年は飛躍の年にしたい”。そう願っています」(長谷川助手)
(取材・文:花岡貴子)