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6歳で充実ぶり見せたルールソヴァール/佐賀記念回顧(斎藤修)

  • 2018年02月07日(水) 19時01分
 朝、スカパー!で地方競馬中継のチャンネルに映し出された佐賀競馬場は雪が降り続き一面まっ白。これでは開催は無理だろうというほどだったのだが、おそらく天気予報を頼りに、コースには早朝からハローをかけ続けていたようだ。11時30分発走の第1レースの出走馬がパドックを周回するころには陽が差してきて、競馬は問題なく行われた。雪が融ける前から対処をしていたからなのか、馬場状態が稍重なのにも驚いた。

 サウンドトゥルーの全弟ルールソヴァールコパノリッキーの半弟コパノチャーリー。兄にダートでのチャンピオン級の活躍馬がいる馬同士の対戦ということでも注目となったが、勝ったのは1番人気の支持を受けたルールソヴァールだった。

 それにしてもルールソヴァール幸英明騎手は落ち着いていた。1番枠で、逃げ・先行ではないため、一旦下げてどこかで外に持ち出すしかない。1周目のスタンド前、馬群はラチから5頭分幅を空けて走っていたから、内が相当深くなっていたのだろう。1、2コーナーを回るところで先頭に立ったマイネルバサラが徐々にペースアップしていくなかで、ルールソヴァールは先行したコパノチャーリークリノスターオーの外に持ち出して徐々に位置取りを上げていった。あとは前を行くマイネルバサラをとらえるだけ。3コーナー手前でギアを一段アップすると、4コーナー手前でムチは入っていたものの、直線で後続を突き離しての完勝。前走ベテルギウスSで見せたパフォーマンスは本物だった。今回は地方初参戦だったが、地方の小回り2000メートル前後の舞台でも能力を発揮していきそうだ。兄のサウンドトゥルーの能力が開花したのは5歳10月の日本テレビ盃だったが、この馬もそうした晩成の血を受け継いでいるのかもしれない。幸騎手は佐賀記念3勝目、サマーチャンピオンと合わせると、佐賀のダートグレード5勝目となった。

 2着のトップディーヴォは、上位勢の中ではもっとも厳しいレースを強いられた。スタート後の向正面ではゲートから出たなりで内を進んだため、スタンド前の直線でも外に出すことができないまま、他の馬が通っていない最内を1頭だけ進む形になった。直線半ばでは鞍上が外を気にしていたので、外に出すところを探していたのかもしれない。そうしているうちに、ゴール板を過ぎたあたりでルールソヴァールコウザンゴールドが外から位置取りを上げていき、向正面では内から上がっていくしかなくなってしまった。最後の直線でようやく外に切り替え、なんとかマイネルバサラをとらえたが、勝ったルールソヴァールからは4馬身差。砂が深くない外でスムーズにレースができていれば、もう少しきわどい結果になったかもしれないが、逆転まではどうだっただろう。

 外目の10番枠だったマイネルバサラは、好ダッシュから一瞬先頭に立ちかける場面もあったが、先行する2頭を先に行かせてすんなり3番手の外。1周目のゴール板あたりでは行きたがる素振りを見せたため、そのまま行かせて2コーナーで先頭。浦和記念を勝ったことで別定58kgを背負っていたため、勝負どころを迎える前に後続に差をつけ、どこまで粘れるかというレースをしたと思われる。ベテルギウスSでは勝ったルールソヴァールから0秒5差(4着)で、今回は着順こそ3着だったが、斤量を2kg余分に背負ったぶん、0秒9と差を広げられた。

 マイネルバサラから6馬身離れての4着に兵庫のキクノソル。9番人気とまったく注目はされていなかったものの、昨年秋まで中央のダートオープンで勝ち馬から1秒前後の差で走っていたという能力を発揮しての地方馬最先着だった。

 地方馬で唯一、単勝が万馬券ではなかったフリビオンは6着。今回、西日本ダービーの勝ちタイムより2秒近くタイムを詰めており、現状の能力は発揮した。残念ながら今回は回避となってしまったカツゲキキトキトも、強いメンバーとの経験を重ねる中で、昨年になってダートグレードで2着、3着と好走できる力をつけてきた。フリビオンも今回のような経験を重ねた上での、今後の期待となろう。

 逃げたコパノチャーリーは3コーナ手前で早々と失速。前半はクリノスターオーに、中盤からはマイネルバサラに突かれる苦しい展開もあったが、コーナーを6つも回る地方の2000m戦は合わないと思う。

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