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桜へ背水のチューリップ賞だが マウレアはやはり“持っている馬”/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2018年03月01日(木) 18時00分
 記者の記憶が確かなら阪神JFの翌週である。同レースを3着に終わったマウレアの今後について、管理する手塚貴久調教師に、せんえつを承知で直言した。

 桜花賞を狙うならクイーンCを使わず、13年桜花賞を制した全姉アユサン同様、チューリップ賞ステップレースに選ぶべきということ。むろんゲン担ぎではない。クイーンCから直行で桜花賞を制した馬は76年テイタニヤ1頭。16年桜花賞で断然人気(単オッズ1.5倍)だったメジャーエンブレムでさえ、クイーンC(5馬身差圧勝)後の本番は0秒4差4着に終わった。明確な因果関係は分からないが、こと桜花賞に向けては“死のローテ”だと力説した。

「よく調教師に向かってそんなこと言えますねぇ。ただ、アユサン桜花賞を勝てた理由は確かに、その辺にあると思うんですよね」

 無礼なる当方の意言に驚きつつも、当時こう切り出したのは同キュウ舎の矢嶋大樹助手だった。

アユサンの強みは阪神JFとチューリップ賞で、関西馬に劣らないコース経験があったこと。さらにトライアル後の栗東滞在が刺激になり、馬自身がグンと成長してくれたこと。すべていい方向に向かった末の勝利でした」

 それでも今回は願いかなわず、陣営は確実な賞金加算をもくろんでクイーンCへ。結果はまさかの5着。「レースに行って鈍感というか、のんきな面を見せてしまった」と指揮官は誤算に唇をかんだが、ある意味でマウレアは“持っている”馬と言えようか。直行プランは白紙になり、自身2度目の阪神マイルで仕切り直し。桜花賞出走権を取れば栗東滞在が濃厚で、当方からすれば事態は随分と好転し始めた。

「今回は暮れの阪神JF上位2頭との再戦。向こうがどれだけ強くなっているかは分からないが、こちらには1度使ったアドバンテージがあるし、刺激を与える意味でレースでメンコを外すことも考えている」(手塚師)

 以前に当欄で記したように、マウレアはデビューから力を出し切ったことのない至って“奥ゆかしい”馬だが、桜花賞馬の妹にとって、今回はいよいよ失敗を許されない瀬戸際の舞台になる。鞍上の手替わり(武豊)も含め、新味を期待してレースに注目したい。

(美浦の宴会野郎・山村隆司)

東京スポーツ

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