今週末の31日、4月1日の騎乗を最後に、
フィリップ・ミナリク騎手(43)=チェコ=が帰国する。思えば初対面の際、「おはようございます」と丁寧に頭を下げていた。後日、通訳の人にうかがったところ、今回の来日のために日本語を覚えてきたそうだ。
このエピソードでも分かるように、かなりの勉強家だ。日本競馬を知るために休日でもレースVTRをチェックして分析。それは結果にも表れている。25日終了時点でJRA8勝と目立つ数字ではないものの、1番人気のVはわずかに1勝。ほとんどが人気のない馬で勝っている。
「念願がかなって日本へ来ることができた。いろいろなことを勉強し、吸収したいと思っていたのでいい経験になった」とうなずく。真摯(しんし)に競馬と向き合い、最善を尽くすのが彼の
スタイル。それは日本での騎乗を見てもよく分かる。続けて「日本の競馬は世界一だと思っている」と笑顔を見せた。
最後の重賞騎乗となる
ダービー卿CTは、
ミュゼエイリアンとコンビを組む。「東京競馬場は素晴らしいが、中山はそれ以上に好きな競馬場。ファンとの距離が近く、その声援が励みになる」と理由を語る。日本を愛し、日本の競馬を愛し、日本の競馬ファンを愛したミナリク。また来日する日を待っている。(デイリースポーツ・小林正明)
提供:デイリースポーツ