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ワグネリアン、ダノンプレミアム回避だけじゃない絶好の追い風/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2018年04月11日(水) 18時00分
 皐月賞の最終登録日となった1日、JRAはさぞ焦ったことだろう。全てのホースマンが憧れるクラシックの舞台が「フルゲート割れ」の事態に陥ってしまったからだ。

 皐月賞のフルゲートが18頭になった1990年以降、割り込んでしまったのは、これで2015年に続き2度目。この事態だけは避けたかったに違いない。実際、登録締め切り前には「JRAは多くの調教師に皐月賞の登録を打診していた」という話も伝わってきたほどだ。

 で、本題はここから。このフルゲート割れの状況が、ワグネリアンにとっては、とてつもなく大きなプラス材料になったとみている。

 というのも友道厩舎は当初、収得賞金900万円のジュンヴァルロ皐月賞に出走できない事態を想定して、アーリントンCも視野に入れていた。が、出られないどころか、抽選もなし。このジュンヴァルロの参戦確定が、2頭出しの「大将格」ワグネリアンにとっては得がたい“援軍”になるのだ。

「栗東の馬房でもワグネリアンジュンヴァルロは隣同士。一緒に(中山競馬場へ)行けるだけでも大きい」と友道調教師の声も弾む。

 前走の弥生賞(2着)では、前日からの強風の影響で馬が相当ナーバスになり、カイバも食べなくなったという。実際、手綱を取った福永は「ゲート内でも暴れてしまって…。あんなにイレ込んだのは初めて。正直、こりゃないかもって」と惨敗を覚悟したほどだった。

 新馬戦→野路菊S→東京スポーツ杯2歳Sと無傷の快進撃を続けた素質馬でも、ちょっとしたことで能力発揮に支障が出るのが、この時期の若駒なのだ。だからこそ、普段から近くにいる“同僚”の存在の大きさは計り知れない。

「俺の馬は普段からすごくおとなしくて。近くで車とかバイクの音がうるさくても平然としているからね。ホープフルSで中山に輸送した時も、そこは全く変わらなかった。普段からワグネリアンとは仲がいいし、あの馬にとって、俺の馬と一緒に行けるのは確かに大きいと思うよ」とはジュンヴァルロを担当する島助手の弁だ。

 ワグネリアンの1週前追い切り(5日=ウッド5ハロン70.3-11.6秒)に騎乗した福永は「馬場入りの1歩目から違っていた。以前はハミをかんで、かかり気味に行くところがあったけど、今は体を使いながら、楽に持っていけるようになっている。今のところ言うことなし」と満点評価。この好気配を維持するために必要な「頼もしい同僚」ジュンヴァルロが決戦の舞台まで寄り添ってくれる上に、一番の強敵だったダノンプレミアムは回避…。

 前哨戦の弥生賞では「風」に苦しめられたワグネリアンだが、本番を前にV確率を高める“追い風”が吹き始めている。 

(栗東の坂路野郎・高岡功)

東京スポーツ

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