「
皐月賞・G1」(15日、中山)
縁が馬と人を結ぶ。第1冠に挑む
ケイティクレバー。それまで管理していた目野師が2月末に定年引退し、3月1日付で厩舎を開業した安田翔師が引き継いだ。
開業前、技術調教師として社台ファームで研修し、千葉サラブレッドセールの出場馬に騎乗した。「そのあとどう成長するのか、どんな活躍をするのか。勉強のためにピックアップしていた馬が3頭いた」。五感に響いた1頭が
オメガパフューム。付き合いのあったオーナーが購入し、父の安田隆師が管理。安田翔師の開業に合わせて転厩すると、厩舎の初勝利を飾った。
そして、残る2頭のうちの1頭が
ケイティクレバーだ。「性格が良かった。順調にいけば走ってくるかもしれないと思った」と当時を振り返る。
デビュー前に触れた原石が、今は育てる側で接している。「飼料管理や調教も含めて、やりたいことができています」とうなずく指揮官。厩舎の色を出すことで、馬にも修正が加えられる。「推進力がハミに伝わらないところがあった。でも、今はジョッキーが“乗りやすい”と言ってくれる。跳びがきれいで身のこなしがいい馬だから、慌てずに走れたら」と穏やかな表情で愛馬を見つめた。
「史上初にこだわりたい」-。16年12月、新規調教師免許合格の会見で語った言葉だ。
皐月賞Vとなれば、森師の2カ月を上回る、開業1カ月半でのスピードG1制覇。「今もその思いは変わっていません」と瞳を輝かせた。「ジョッキーのように3キロ減があるわけじゃない。先輩調教師と同じ土俵。キャリアの浅さは言い訳にできないから」。偉業達成に挑む若きトレーナーに注目だ。
提供:デイリースポーツ