いよいよ今週末に迫った伝統の長距離戦、天皇賞(春)。今年はGI馬がわずか1頭しかおらず、これといった中心馬が不在。加えて、
阪神大賞典、
日経賞といった
ステップレースで、とくにインパクトを残した勝ち方をした馬もいなかったことが、混戦模様に一層拍車をかけている。
そこで古澤秀和、井内利彰という2人のスペシャリストがそれぞれの得意分野である馬体面、調教面から
ジャッジ。春天を勝てる理想の馬体、そして調教過程というのはどのようなものなのか、直撃した。
まず登場していただいたのは、パドック予想でおなじみ、古澤秀和氏。当日の馬体、パドックでの気配から、勝ち馬を的確に
ジャッジする眼力には定評がある。
「天皇賞(春)の攻略ポイントは距離適性が最重要項目ですが、馬体を見ればかなりの精度で距離適性を把握することができ、大きく2つのタイプに分けることができます。例えば2010年の勝ち馬
ジャガーメイルは、距離適性が出やすい『ツナギ(蹄と球節のあいだの部分)』が非常に長く、胴もゆったり。必然的に大きなス
トライドを生み出せるつくりで、長距離馬の典型といっても過言ではない馬体でした。余分な筋肉が少なく、関節の可動域がいかにも大きそうなのも長距離馬としての資質です。このタイプはビジュアル的にもわかりやすいので、フォトパドックなどを見て分析してみてほしいですね。
それに対して2013年、2014年と連覇した
フェノーメノは、先ほどの
ジャガーメイルのように極端に長距離馬という馬体はしていませんが、馬体に無駄がなく、筋肉の質も柔軟。心肺の強さもあり、効率の良さで距離をこなします。人間でも、マラソン選手は細身で無駄な筋肉がありません。それと同じことです」
一方、調教からどのように
ジャッジすればよいのか、追い切りのスペシャリスト、井内利彰氏によると
「天皇賞(春)は、京都競馬場の外回りコースを2周するので、“折り合い”が重要になってきます。長距離戦で勝ち負けするために、スタミナ浪費は絶対にやってはいけないこと。ですから、調教の時点で乗り手と折り合いながら走ることができる、これが最も重要になります。そのため、直線で急坂を上る坂路調教よりも、コーナーが4つあるトラック調教がベスト。過去10年の天皇賞(春)において、トラック調教を課さずに優勝したのは2008年の
アドマイヤジュピタだけ。それ以外の9頭は、1本以上はトラックでの追い切りを消化してレースに優勝しています」
と、コース調教での折り合い面に重点を置くという。ファンにとっても頭を悩ませる難解な一戦だけに、馬体、そして調教のスペシャリストの意見を参考にしながら、勝ち馬を洗い出してみてはいかがだろう?
今回伺った井内氏、古澤氏による天皇賞(春)の最終決断は『
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