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秋への重要な懸け橋として京都新聞杯「ここ一本」/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2018年05月03日(木) 18時00分
「ダービーに参加できるのは、ジョッキーとしてうれしい」

 これは先週の青葉賞ゴーフォザサミットで制した鞍上・蛯名正義の言葉である。馬のみならず人にとってもラストチャンスだったこの一戦。すでに本番の騎乗馬が決まっていたスーパーフェザーの福永、オブセッションのルメール、サトノソルタスM.デムーロ(1〜3番人気)以上に、懸ける気持ちは強かったろう。ダービーは特別――。そんな感覚を持ち合わせる関係者の思いが、頂上決戦をより熱い舞台へと仕立てていくのは確かである。

 一方で“あえてダービーを使わない”という選択肢も存在する。印象的だったのは15年プリンシパルS優勝馬アンビシャス。「勝つには勝ったが折り合いを欠いていた」(音無秀孝調教師)と陣営は距離が延びる本番を自重。GIIIラジオNIKKEI賞に駒を進めての勝利は、かなり画期的な出来事であった。「ダービーがサラブレッドのゴールではない」とは昨年レイデオロで初制覇を遂げた藤沢和雄調教師が常々口にしてきた言葉だが、どこにゴールを設定するかはトレーナーの裁量であり競馬観そのものかもしれない。

 さて、その意味で今週注目するのはGII京都新聞杯(5日)のグローリーヴェイズ。「レースは違うけどアンビシャスのイメージで」と尾関知人調教師が語るように、ここがダービーのステップとして選択された一戦ではないことが興味をそそる。

「勝ち馬(サトノフェイバー)も骨折してしまったし、思えばきさらぎ賞(2着)はタフなレースだったか。この馬も体調が上がるのに時間がかかり皐月賞を断念したからね。そんな現状の体質を考慮すると、続けてダービーを使うのは簡単なことではない」

 とはいえ、そう語る指揮官の勝負度合いが薄いかといえばさにあらず。むしろ今回を重要な秋への懸け橋として位置付けているから面白い。

「ダービーが目標ならプリンシパルSで構わないが、賞金加算を狙うがゆえに重賞を求めて西へ。つまり、ここ一本のつもり。血統面(母の父スウェプトオーヴァーボード)がどうかだが、やわい馬で折り合いはつくし、ポテンシャル的に2200メートルくらいは大丈夫そう。コーナー4つのコースでどんな競馬ができるか、菊花賞に視野を広げられるかという意味でも楽しみ」

 ひとまず“春のゴール”をここに設定した陣営の裁量を今週は買ってみようと思う。

(美浦の宴会野郎・山村隆司)

東京スポーツ

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