NHKマイルC、私の中で一番の惑星は
藤原英昭厩舎が送り出す
ギベオンです。
藤原師に「血統的に期待していた」と言わせたその血筋ですが、父は
ディープインパクト。母の
コンテスティッドは7戦5勝。うち、アメリカ東海岸のGIを2つ勝っています。注目すべきはその内容。テストS(GI、ダート1400m)では好位3番手から後続に2馬身差。
エイコーンS(GI、ダート1600m)ではひとり旅の逃げ切り勝ち。向こう正面で5馬身ほど抜け出した後、勝負処で後続が近づいてきたけれどハナは譲らず、直線で追い出すとあっという間に差が開き、最後は5馬身差をつけてのゴールでした。
ギベオンはキャリア3戦目の
毎日杯で2着から中5週。
皐月賞へ駒を進めず、あえてNHKマイルを狙いにきました。
「ここに挑戦する一番の理由は(
ギベオンの)気性面とスピード感。東京競馬はスピードとスタミナがポイントですけど、それを兼ね備えている馬なんです」(藤原師)
最終追い切りに芝を選んだのは「東京への輸送もあるので、
リラックスさせて気持ちよく走らせたい」
といった理由から。
「速い時計はいらなかったので。でも、馬が
リラックスし過ぎてたみたいですね。もう少し気が入って活発な動きをするかと思ったんですけど、予想外に馬が
リラックスして走っている印象がありましたね」
しかしながら、この臨戦態勢への
ジャッジは「うーん、結果が出ればいい臨戦態勢でしょうけれども。結果が伴わなければ、まだまだ成長であったり調整過程に課題があります」といった回答でした。
この言葉をどう受け取るか…。藤原師はプロ中のプロ。私見ですが、会見では言葉にしない奥の奥に、きっと何かがあるのでは!?と感じています。
そして何より、まだまだ底を見せていないにも拘らず
毎日杯2着という成績を残せるあたり、
ギベオンのスケールの大きさを感じてならないのです。
最後に。では、
ギベオンは
NHKマイルCのあとにダービーを目指すのでしょうか?その問いに対し、藤原師は「……そうでしょうね。結果次第ではね」と、前置きした上で答えていました。
「ダービーのために馬を購入したり育てているというのがありますから。ダービーがある以上は、それを目指さないという手はない。"(NHKマイルでの)結果が伴えば"、ダービーを視野に入れることもあると思います」
GI・
NHKマイルCは
ギベオンにとっては通過点になるやもしれません。
(取材・文:花岡貴子)