今週の栗東は7日から雨。8日の調教時間中は雨が止んでいたものの、夕方から夜にかけて本降り。9日の調教開始時には小雨になっていたが、スッキリとしない天気が続いている。ウッドチップ馬場は雨の影響を受けたように思ったが、全体的な時計の出方を見ると、そこまで影響がなかったのかも知れない。
なお、今週は10日の調教を諸事情によりライブで確認することができなかったので、9日の馬場状態の解説ということにさせていただきたい。
【坂路/4F51.9秒】
一番時計は
サングラス(栗東・
谷潔厩舎)の4F51.1秒。自己ベストは4F49秒台だが、平均すると51秒台。この馬を基準に見ても、決して時計を要する馬場でなかったことは分かる。
また、3F目や4F目で11秒台のラップを踏んでいる頭数もそれなりに多い。馬場の影響で時計が出なかったのかなという馬もいるが、それは非力なタイプだったり、あまり調子が良くない馬と判断してもよいだろう。
昨年の
ヴィクトリアM3着の
ジュールポレール(栗東・
西園正都厩舎)は4F51.3秒。2F目から12秒台のラップを刻み、最後まで12秒台を持続。前走
阪神牝馬Sはここを見据えているのかなという感じの調教内容だっただけに、ひと叩きしての上昇幅は大きいのではないだろうか。
先週の馬場差は「-0.1秒」。今週は晴れる日が少なかったこともあり、ウッドチップはかなりの含水量になっていると思われるが、時計自体は出ているので、今週9日の馬場差は先週と同じ『-0.1秒』で記録している。
【CW/5F66.0秒】
調教開始前から雨が降っていたこともあり、各陣営とも前半をゆったりしたラップで入る追い切りが多くなった。しかし、時計は速い数字が出ており、決して時計の出ない馬場というわけではない。
ただ、そんな中でも
オークス(5月20日・東京芝2400m)の1週前追い切りを行った
レッドサクヤ(栗東・
藤原英昭厩舎)は素晴らしかった。
ダノンフォワード、
ルペールノエルを追走して、最後の直線は最内だったが、楽な手応えで前を捕まえて先着。その時計は6F79.9〜5F65.0〜4F51.1〜3F37.5〜1F12.2秒と全体も終いも速い。これだけしっかりと攻めの内容を課すことができたのだから、人気がなくとも注目してみたい1頭。
先週の馬場差は「-0.8秒」。さすがに今週は雨の影響を受けて、先週よりも時計を要している印象はあるが、それでも基準時計より遅いということはない。また、4Fだと50秒を切る時計もあるだけに、馬場差の決め方が難しいところ。5F時計を見た上での馬場差ということで、今週9日は『-0.4秒』で馬場差を記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場は雨が降っていたこともあり、追い切り頭数は多かったが、馬場状態としてはかなり緩くて芝生の塊が飛んでいる。よって今週9日の馬場差は『+1.0秒』で記録している。
ポリトラック馬場の追い切り頭数は先週よりも増加。時計の出方に関しては、先週同様、ほぼ基準時計通りと判断してよい。よって馬場差は9日が『+0.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・文:井内利彰)