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アルジャンテ格上挑戦でも不気味/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2018年06月07日(木) 19時00分
 先週の当欄で「安田記念に王道なし」と記したが、まさに結果はその通り。優勝は安土城S2着から異例の連闘策を取ったモズアスコットクリストフ・ルメールが最後まで騎乗にこだわった理由を、自らの走りで示すVでもあった。実績馬相手に重賞で1番人気に支持され続けた素質を信じていれば…。そう悔やまれるが、毎週続く競馬は切り替えて前へと進むしか道がない。

 さて春のGIシリーズもひと区切りし、のんびりムードが漂い始めた美浦トレセン。その中で早速、切り替えの早さを示したのが、安田記念レッドファルクス(9着)を送り出した尾関知人調教師だった。

「今年は“テン良し、中良し、しまい良し”じゃないと勝てないタフな競馬でしたね。まあ、ファルクスは(史上初の)スプリンターズS3連覇に向けて立て直し。今週は阪神でアルジャンテに頑張ってもらいましょう」

 そのアルジャンテが登録するマーメイドSは、14年コスモバルバラが格上挑戦で2着して以降、実は指揮官の意識下において存在感の大きな牝馬重賞だ。16年ココロノアイ(3着)→17年バンゴール(7着)に続き近5年で実に4頭目。さらに3年連続挑戦となる今年は早々と布石も施した。それが2度目の阪神遠征となった前走・うずしおS(芝8ハロン)である。

「決して右回りが合わないのではなく、トリッキーな中山マイルだけが合わない。これまで左回り中心に使ってきたが、前走はそう確信できる走りを見せてくれました」

 とはいえ、これまでは7〜8ハロンを主戦場としてきた同馬にとって10ハロンは未知の距離。それが過去3頭とは決定的に異なるポイントだが…。

「当初はパールS(京都芝9ハロン)をステップに距離を延ばすプランだったが、爪が弱いのもあって切り替えた。それでも昨秋から乗った3人のジョッキーが口を揃えて“もう少し距離があっていい”とのジャッジ。以前は切れないイメージだった分、あえて千四を使っていたが、年齢を重ねてディープらしい切れが出てきたし、それなら秋を見据えて2ハロンの延長を試みようとなった」

 つまり今年のマーメイドSは、指揮官にとって年頭からしたためた上半期の総決算とも言うべき重要な一戦。過去10年で10万円超の3連単が7発という波乱度、格上挑戦がむしろ“王道”たるレース傾向からも侮れない一頭となりそうだ。

(美浦の宴会野郎・山村隆司)

東京スポーツ

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