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ウインバリアシオン、担当厩務員さんとの再会に意外な表情/ねぇさんのトレセン密着

  • 2018年06月29日(金) 19時00分
 まだ今年のクラシックが終わらないくらいの頃だったでしょうか。

 かつてウインバリアシオンを担当していた松永昌厩舎の竹邑厩務員が“現在青森で種牡馬になったバリやん(竹邑さんは現役時代、ウインバリアシオンをずっとそう呼んでいました)に会いに行く予定”という話を聞きました。

 ウインバリアシオンといえば、現在青森で繋養されており種牡馬としても3シーズン目を迎えています。

 初年度から人気も高く、3年目の今年は約50頭の花嫁を集めているとか!しかも受胎率は8割を超えています。

「青森の仲間内では受胎のよくない馬にとっての最後の頼みの綱で、他の種馬で受胎しなかった牝馬にウインバリアシオンを種付けして、“ウインバリアシオンで受胎しなければ今年はもう受胎を諦めよう”と言っているほどなんです」(ウインバリアシオンを繋養するスプリングファーム・佐々木さん)

 そんな青森で大人気のウインバリアシオンがトレセンを去ったのは2015年の春のこと。天皇賞(春)で故障を発生して、引退を余儀なくされました。

 パンパンに脚が腫れた状態、きつめにバンテージを巻いてもその脚を引きずるバリをなだめながら馬運車に乗せた姿…。いまでも脳裏に焼き付いています。

 そして、6月のある日、あれから丸3年が経ち、そろそろ竹邑さんが青森からバリに再会して戻ってきたであろうタイミングに、バリとの再会の様子を聞きに飛んでいったのですよ。

 きっと感動の再会があったに違いない!

 とか妄想しながら竹邑さんのもとへ。

 ところが!なんとかショッキングな返事が…。

「バリやん、俺をわからんかったわ」

 …え?そうなの??2010年のデビューから丸5年近く一緒にいたのに、忘れちゃったの!?

 それでも竹邑さん、気丈に「バリやんと会えただけでうれしい」と話していました。

「いいんだよ。かつて担当していた馬でGIをとった馬たちとは死ぬ前に会えなかったけど、バリやんとは会えたから。オグリローマン(1994年桜花賞)は引退したあと会いにいく前に亡くなってしまったし、ラインクラフト(2005年桜花賞、2005年NHKマイルC)は現役中に放牧先で死んでしまったからね」

 そう言われちゃうとぐうの音も出ないのですが…。

 あきらめの悪い私は、青森の佐々木さんにそのあたりを詳しく探りを入れてみたんです。

「いや、そんなことない。ちゃんとわかっていましたよ」

 ……なんと!嬉しい答えが返ってきました!!

「普段、バリはお客さんが来ても我関せずなんです。このシーズンは種付けのことで頭がいっぱいだしね(笑)。ところが、あの日だけは違った。種付けシーズンの最中なのに、馬房から普段どおりの様子で出てあと、竹邑さんを見つけたら急にキョトンとして。ジーっと竹邑さんのことを見ていたんですよ。あんなこと青森にきて初めてで。意外な表情でした」(佐々木さん)

 しかも、面と向かって再会したとき、ウインバリアシオンは頭を自分から差し出すように向けたのだそうです。

 5年間も苦楽を共にした竹邑さんに、3年ぶりに撫でて欲しかったのかな。

 その様子を竹邑さんに説明したら「それは良かった!」とすごく喜んでいました。

 男同士の再会ってすごく地味だけどめっちゃいいものだなぁって。聞いていてすごくほっこりした気持ちになりました。

 ウインバリアシオンの子供たちは来年デビュー予定ですが、7月3日に青森県八戸で行われる八戸市場にも6頭上場します。無事、育ってくれるといいですね。

 ウインバリアシオン号 Officilal Site
http://www.vari-yan.net/

(取材・文:花岡貴子)

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