今週は、開設100周年を迎えた夏の福島競馬の
ハイライトを迎える。7月7日には、
開成山特別に
オジュウチョウサンが
武豊騎手とのコンビで参戦。障害歴代最強馬ともいわれる
オジュウチョウサンがスーパージョッキーを背に平地競走でどんな競馬を見せるか。歴史的挑戦をファンも楽しみにしているだろう。
翌8日にはGIII第54回
七夕賞(芝2000m)が行われる。今年は福島競馬場開設100周年記念競走として行われるが、サマー2000シリーズ開幕戦としては登録段階からメンバーが寂しいのが残念だ。1993年に
ツインターボが逃げ切った
七夕賞当日は入場者4万7391人で今も福島競馬場の入場者レコードとなっている。
このときが1分59秒5で、初めて
七夕賞で2分を切ったレースレコード。1000m通過が57秒4のハイペースだった。かつては
JRA重賞記録となった1番人気26連敗の「荒れる重賞」だったが、近年は極端に荒れない。
キーワードは、「高速化」と「
ディープインパクト産駒」だ。開幕前に、福島競馬の芝は2009年秋の「エクイターフ」の導入を契機に劇的に変わった、と述べた。芝は「高速化」し、荒れ馬場はもはや死語になった。加えて、開催時期の変更も
七夕賞の「高速化」に拍車をかけた。2013年から、夏の福島競馬は2週遅れて7月第1週に開幕するようになった。
それまで3週目に行われていた
ラジオNIKKEI賞は開幕週に、最終週に行われていた
七夕賞は2週目に繰り上がった。この影響が明確に数字に表れた。2013年の
マイネルラクリマは1分58秒9で、史上初めて1分58秒台を記録。以降、昨年まで5年連続で1分58秒台の決着となった。高速決着になって逃げ切りは、2014年の
メイショウナルトだけ。差し馬有利なのは、高速馬場で自然とペースが速くなるためだろうか。
そして、速い馬場で
ディープインパクト産駒が台頭した。2014年に
ニューダイナスティが2着。2016年は、
アルバートドックと
ダコールでワンツー。2017年は
ゼーヴィントが勝って
ディープインパクト産駒が連覇し、2着
マイネルフロストは
ディープインパクトの全兄の
ブラックタイド産駒。高速決着に強いタイプの種牡馬を狙えばいい。ただ、ペースが速いため極端に上がりが速くなることはない。これが特徴だろう。
ところが、困ったことが起きた。今年は登録馬のなかに
ディープインパクト産駒がいない。さらに、週中から雨が続き、どうやら週末は馬場が悪化しそうだ。ここまでの前振りは来年以降に役立てていただきたい。
こうなると、過去の傾向を再び使えばいいだろうか。力のいる馬場が得意な種牡馬に注目だ。さらにベタな表現だが、夏場の重賞は好調馬を狙うべきだろう。今回は
ハービンジャー産駒が3頭。
ディアドラ、
ベルーフ、
プロフェット、
ドレッドノータスなど右回りの芝2000mのGIIIで結果を残している。
加えて6月、7月の夏場に強い。今回は
サーブルオール、
マイネルサージュ、
レイホーロマンスの3頭が参戦予定。人気は
サーブルオールだろうが、コース実績は
マイネルサージュ。春の
福島民報杯は上がりのかかる馬場で後方一気を決めた。馬場状態を含めて狙い目だろう。
ステイゴールドはもともと福島に向く種牡馬で2000mに強く、6月、7月の時期にも良績がある。
マイネルミラノ、
ワンブレスアウェイはともに福島実績があり、馬場が悪化すればさらに浮上する。
マンハッタンカフェ産駒の
プラチナムバレットは上がりのかかる馬場が合うが、1800mや2200mの中途半端な距離に強いことが2000mでどう出るか。堅実味と操縦性の高さは福島向きだろう。
福島牝馬Sを制した
メイショウサムソン産駒キンショーユキヒメはコース巧者だ。ただ、近年牝馬は不振。これらを踏まえて天候、馬場状態も考慮して結論を出したい。
(文=高橋利明(福島民報社))
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