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友道厩舎これがクラシック制覇への采配 早期デビューに活路アドマイヤマーズ/POGマル秘週報

東京スポーツ
  • 2018年09月05日(水) 19時00分
 夏競馬は終わったが、2歳新馬のレベルは今開催からワンランクアップ――という認識は、すでに過去の話と言っていい。

 もちろん、過去10年で5頭のダービー馬を出している10月デビューが王道路線ではある。しかし、それ以外の5頭のデビューは7月に3頭、8月に2頭。近年の傾向で考えるなら、半分の確率で来年のダービー馬は、すでにデビューしたことになる。これは多くの牝馬の最大目標である桜花賞にも適用される事例で、こちらも過去10年の半数にあたる5頭が秋競馬前にデビュー。2着に負けたことで印象は薄いかもしれないが、今年の2冠牝馬アーモンドアイも夏の新潟デビュー組だった。

 クラシックを制覇するような馬は初戦勝ちがノルマのようにも思えるが、夏にデビューした組は、ひと息入れてからでも立て直しが十分に利く。中竹厩舎は2週目にトーセンカンビーナ、4週目にサターンと2頭のディープインパクト産駒を夏の中京でデビューさせながら、続戦させなかった。その理由を「トーセンカンビーナは道悪を走ったし、サターンは暑さに参ってしまったようだった。必ず走ってくるので、この時期に無理をする必要はないと判断した」と説明したのは岸本助手だ。

 ステーブルメートのサートゥルナーリアも予定していた札幌2歳Sを回避したが、これも岸本助手は「無理してまで…という時期じゃないからね。秋に戻ってくれば、普通に頑張ってくれると思う」。このように臨機応変に対応できるのも、夏デビュー組のプラスポイントと言えるかもしれない。

 先週は3頭、今週の出走予定馬は現時点で何と0頭。「厩舎に馬がいなくて困っている」とトレーナーも苦笑いする初秋の友道厩舎だが、すでに6頭の2歳馬をデビューさせて、この阪神開催でも3頭がデビュー予定。早期デビューは当然と言わんばかりの采配は、さすがだ。

 特別レースが増える来週以降では取り上げるスペースがなさそうなので、その3頭の新馬について軽く説明しておきたい。

 15日阪神芝外1600メートル(牝)にルメール騎乗でビーチサンバ(父クロフネ母フサイチエアデール)がデビュー。23日阪神芝内2000メートルのグランデストラーダ(牝=父ハーツクライ母レジェンドトレイル)は福永。29日阪神芝外1800メートルには岩田でスパンキーワールド(牡=父ケープブランコ母スプンキーウーマン)を予定している。

 世間的な注目度はビーチサンバ。安田助手も「気性が前向きで、こちらの指示に従ってくれる。もう少しパワーがついてくれば良くなってきそうな感じがします」と好感触だが、さらに上をいきそうなのがグランデストラーダ。「初戦向きではないかもしれないけど、現段階でもかなりいい。奥がありそうです」とアピールしてくれた。こちらから話を切り出すのではなく、相手から話が出てくる馬のほうが活躍する可能性は高い。これは現場記者なら誰もが、うなずくことだろう。

 ただし、今回の話の流れで言えば、これらの馬よりも中京2歳Sを勝って、11月10日GIIデイリー杯2歳S(京都芝外1600メートル)に向かうアドマイヤマーズ、30日の中山500万下・サフラン賞(芝外1600メートル(牝)で2勝目を狙うレッドアネモス、中京の新馬戦3着から22日の阪神の未勝利戦(芝内2000メートル)で復帰するブラヴァスのほうが、クラシックに近い馬ということになるが…。

(松浪大樹)

東京スポーツ

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